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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「月ヶ瀬」 第十二話

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JR月ヶ瀬口駅の前に駐車している和田の車の横に停めて、二人は友和が連絡を入れておいた奈良県警佐藤警部が来るのを待っていた。
ほどなくパトカーでやって来た佐藤とあいさつを交わす。

「奈良県警捜査一課佐藤です。このたびは大変なことになりました。わたくしの不徳といたすことですので、何としても和田さんを見つけ出し、もし誘拐や危害を加えられたことがあれば、必ず犯人を逮捕する覚悟でいます」

「よろしくお願いします。和田の妹で山崎静子と言います。こちらは安田初江さんです。旧姓岡崎初江さんです」

「初江さん、よく来てくれましたね。佐藤です。お聞きしたいことがあるので先に構いませんか?」

「はい、構いません」

「和田くんは調べていて、あなたのお母さんの康代さんが久保清一に強姦されたのではないかと考えたんです。しかし、むしろお母さんは久保と親しくしていたということが解りました。そうなると岡崎誠治が母親の復習をしたと言う線は消えます。そこで思いついたことが、強姦されたのはあなたではないかと言うことだったんですが、答えにくいと思うけど言えますか?」

「はい、そのことは山崎先生にはお話しました。夫との手前嘘をつき、こんな事態を招いてしまったと思うと謝って済むことではありません。久保清一に強姦されたのは私です。13歳の時でした」

「やはりな。問題は誰が誠治に教えたのかということやな。そしてその理由もや」

「刑事さん、ここに来る前に子供のころをずっと思い出しながら考えていたんです。誰が教えたということやなく、弟がひょっとして私が犯されているところを見たんじゃないかって・・・傍には居なかったけど覗いていたとかじゃないかと思ったんです」

初江の思いは佐藤の心をつかんだ。