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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「月ヶ瀬」 第六話

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東京の山崎のもとへ一通の手紙が届いた。
差出人は書かれていなかった。何だろうと思いながら封を開けた。
パソコンかワープロで書かれた文字で短い文章だったが、まるで脅迫状のように受け取れる文面であった。

『山崎弁護士様、 事故の後遺症でご不自由されていることはお気の毒に思いますが、ここにきてまた新しい弁護士に調べさせていることはどういうことでしょうか。月ヶ瀬村にあなた様をひき逃げしたような村人は居りません。どのような方がいらしても、逃げてしまった犯人を捕まえることは不可能です。村長を始め、今回のしつこい取り調べは我々の限界を超える不快な行いです。新しい弁護士様にそのことをお伝えいただき、速やかに中止されることを望みます。
村民一同。 代表者 会田 元一』

「あなた、何が書かれているのですか?」

静子は気がかりであった。
友和は手紙を渡した。

「和田さんの調べがかなり真相を掴んだ気がするよ。身の危険を感じた誰かが村長辺りに訴え出たのだろう。この文面から会田と言う男が深く村の人たちと関わっていることが伺えるな。すぐに実家へ電話してくれないか?」

「はい、わかりました」

和田は在宅だった。

「もしもし、和田法律事務所ですが・・・ああ、静子か、どないした?」

「兄さん、夫のところへ月ヶ瀬村の会田という男から手紙が届いて、直ぐに捜査を止めるようにと書かれてあるの」

「なに?会田から手紙が来たってほんまか?なんて書いてあるんや」

静子は書かれてある通りを読んだ。

「友和君に代わってくれへんか?」

電話を居間にいる友和に渡す。

「友和です。お義兄さん、どういうつもりなのかわかりますか?」

「そうやな、おれが掴んだ情報が真実に近づいているということを証明してるな。実はな、奈良県警の同級生の佐藤っていう警部に調べさせて、事故のあった日から先週末までの間で村に新しく三台の新車が登録されてるねん。つまりやな、新車に買い替えたやつが三人おるっていうわけや。一番古い登録で事故の翌月やった。車種は軽トラックや。一番怪しいやろ?」

和田の調べはかなり真相に迫っていた。
作品名:「月ヶ瀬」 第六話 作家名:てっしゅう