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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「新恋愛病院・不倫病棟」 第六話

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「本当に自分に素直になれないと後で後悔します。失敗は誰にでもあると思いますが、何度も何度も繰り返している人はそういう部分に反省が無いと思うんです。私は離婚をしているので二度と同じ過ちはしないと考えています。男性を見た目や経済力や薄っぺらい優しさなどで選んではいけませんね」

里紗はそう自分のことを話した。
それに早奈枝が答える。

「里紗ちゃん、あなたほど可愛くて、素直で、頭も良いのに失敗はするのよね。感情に支配されると自分を見失うということだったのよね?」

「はい、そうだったと思っています。元夫は優しくて気遣いも出来る理想的な男性に見えていました。男らしくない部分はそれほど結婚して生活してゆくのに必要じゃないと考えてしまったのです。看護士を続けていて時間が不規則になる時など夫はイライラしていました。人に優しくする人は自分にも優しくしてほしいと思っているんですね。私の態度が彼からすると優しくないということだったのでしょう。仕事を辞めろとか言い出してビックリしました。きみは大切な仕事をしているのだから続けてもいいと言ってくれていたのにです」

「男性は自分が一番なのよね。みんなが自分の方を見てくれているうちは寛大なんだけど、そうじゃなくなってくると心が狭くなってくる。特に妻に対していうと優しさは自分に対してのお礼という面があるから、妻が自分を立てていてくれている時は笑顔なんだけど、ちょっと無視するようなことがあったり、小さな約束を守らなかったりすると急に不機嫌になる。それが重なるとそれまでの態度とは一変した性格を現すのよね」

「早奈枝さん、言われる通りです。私は急患があって遅くなる時も連絡はしているのですが、どうしても遅れたりします。そういうことは病院勤務だと仕方のないことだから解って欲しいと何度も話したのですが、付き合っている時にはそれは仕事が優先だよなんて言っていたのに、結婚すると家庭は良いのか?これから子供が出来たらどうするんだとかの話になってしまったんです。子供はしばらくいらないと言うと、自分勝手なことを言うなって怒鳴られて・・・」

「そうなると旦那さんのことを信頼できなくなるわよね。この先ずっと一緒に暮らしてゆくのは無理って考えても当然よね。離婚は間違った選択ではなかったと思うよ。だって、こんな素敵な仕事が一緒に出来るんだもの」

早奈枝の言葉に里紗には笑顔が戻った。鉄男も手をたたいてみんなで頑張ろうと場を締めてお開きとなった。