新連載!「新恋愛病院・不倫病棟」 プロローグ
やっとのことでインターンを終えて自宅の内科医院を引き継ぐことになった鉄男は、父親から申し渡されていた遺言を考えていた。
地域の内科医として親身に尽くしてきたことは高く評価できるが、自分が考えている医療に対する見解は少し違っていた。
鉄男は母親に向かってお願いをする。
「母さん、ボクはここを内科ではなく心療内科として始めたいんだけど、分かってもらえるかなあ?」
「ええ?心療内科って・・・精神病の患者を扱いたいっていうことなの?」
「いや、違うよ。心に病を抱えている人の相談に乗ってあげたいっていうことだよ」
「それなら、内科をやりながらでも出来るんじゃないの?」
「そうかも知れないけど、悩みの相談が出来るということをアピールしたいんだよ」
「鉄男はどうしてそういう風に考えるようになったの?お父さんの意志を継いで自分も地域に貢献したいって言ってたのに」
「インターンをやっている時に患者さんから言われたんだよ。医者は身体を治せても心までは診てくれないって」
「そういう人は精神科に罹ればいいんじゃないの?そのためにあるんでしょう」
「ハードルが高いんだよ。お母さんがちょっとした心のことで悩んだとして、直ぐに精神科へ行く?」
「まあ、時と場合だけど、カウンセリングという制度もあるから、そちらを利用すればいいんじゃないの?」
「医療行為じゃなければ費用が大変だよ」
「それはそうだけど・・・お前が考えてよいと思うなら、ここはおまえの医院だから好きにしなさい」
「本当?ありがとう、恩に着るよ」
「その代わり潰すようなことだけはしないでね」
母親からの許しを受けて鉄男は父から譲り受けた内科医院を心療内科へと模様替えした。やがて母親の死から相続税対策で借金をして医院を病院へと建て直した。
念願であった心療内科のほかに、小児科と、男女の悩み事も相談できる「恋愛内科」を創設した。
もちろん保険治療が出来るように風俗ではなく、あくまでも心療内科の延長線上での治療行為を行うという建前である。
いつしか病院は「恋愛病院」と呼ばれるようになる。そして、看護士も事務員もモデルを連想させる美女をそろえていた。
地域の内科医として親身に尽くしてきたことは高く評価できるが、自分が考えている医療に対する見解は少し違っていた。
鉄男は母親に向かってお願いをする。
「母さん、ボクはここを内科ではなく心療内科として始めたいんだけど、分かってもらえるかなあ?」
「ええ?心療内科って・・・精神病の患者を扱いたいっていうことなの?」
「いや、違うよ。心に病を抱えている人の相談に乗ってあげたいっていうことだよ」
「それなら、内科をやりながらでも出来るんじゃないの?」
「そうかも知れないけど、悩みの相談が出来るということをアピールしたいんだよ」
「鉄男はどうしてそういう風に考えるようになったの?お父さんの意志を継いで自分も地域に貢献したいって言ってたのに」
「インターンをやっている時に患者さんから言われたんだよ。医者は身体を治せても心までは診てくれないって」
「そういう人は精神科に罹ればいいんじゃないの?そのためにあるんでしょう」
「ハードルが高いんだよ。お母さんがちょっとした心のことで悩んだとして、直ぐに精神科へ行く?」
「まあ、時と場合だけど、カウンセリングという制度もあるから、そちらを利用すればいいんじゃないの?」
「医療行為じゃなければ費用が大変だよ」
「それはそうだけど・・・お前が考えてよいと思うなら、ここはおまえの医院だから好きにしなさい」
「本当?ありがとう、恩に着るよ」
「その代わり潰すようなことだけはしないでね」
母親からの許しを受けて鉄男は父から譲り受けた内科医院を心療内科へと模様替えした。やがて母親の死から相続税対策で借金をして医院を病院へと建て直した。
念願であった心療内科のほかに、小児科と、男女の悩み事も相談できる「恋愛内科」を創設した。
もちろん保険治療が出来るように風俗ではなく、あくまでも心療内科の延長線上での治療行為を行うという建前である。
いつしか病院は「恋愛病院」と呼ばれるようになる。そして、看護士も事務員もモデルを連想させる美女をそろえていた。
作品名:新連載!「新恋愛病院・不倫病棟」 プロローグ 作家名:てっしゅう