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BIRDS

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[親鳥]



突然、前方の引き戸が音を立てる

激しく、罵り合っていた
少女たちは一斉に振り向き、引かれた戸を凝視する

勿論、あたしも

背広姿の大人たち
見慣れた顔の先生たちの中に、見覚えのない顔がある

言うなれば
刑事ドラマに出てくるような、ノッポとチビ

軽薄な刑事を演じながらも
イケメンである事を自負している、ノッポ
と、物腰柔らかい割に
眼鏡越しに刺すような視線を放つ、チビ

ハマり過ぎてて可笑しい
可笑しいけど全然、笑えない

取り合えず、いがみ合うのはお仕舞
あたし達は手に手を取って、肩を寄せ合い誓う

あたし達は仲間
あたし達は味方

一致団結して、今から直面する危機を乗り越えよう、と

けど、そんな誓いはシャボン玉

後方の戸が引かれた瞬間
あなたも
この子もあの子も悲鳴を上げ、その場に泣き崩れる

知っていたのに、鳴くの?
分かっていたのに、鳴くの?

訳も分からず、呼び出されたのか
どの親鳥たちも顔面蒼白
ともあれ、親鳥たちは泣きじゃくる子鳥たちの元へと駆け寄る
なんて、美しい光景(笑)

あたし?
あたしは、限界だった

母鳥の胸元にしがみつき、慟哭で震える
その肩を父鳥に抱き竦められる、子鳥たちを眺めながら

ここにいる事が窮屈で退屈で
あたしは、限界だった

作品名:BIRDS 作家名:七星瓢虫