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セブン・ゴ・三だ! ライダー!

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「君らだって70年代だろう? どういうわけか歳を取っていないようだが……いや、歳は取っても我々はスーパー戦隊! 地球の危機とあればはせ参じるさ!」
「有難い! 行きましょう!」
「待て、ライダー」
 その時、聞き覚えのある、しかも今は聞きたくない声が響いた。
「くっ……地獄大使かっ、こんな時に……」
「待て、はやまるな、今回ばかりは共闘しようじゃないか」
「何だと?」
「我々ショッカーも得体の知れない宇宙人に世界征服を譲るわけには行かんのだ、まずは宇宙からの侵略を退けようではないか、お前達との戦いはそれからだ」
「うう……説得力がある……よし! 今この時だけは敵だの味方だの言っておれん、共闘しよう!」
「おうっ! 出でよ、怪人ども! 戦え! 戦闘員ども!」
 俄か地球防衛軍と化した007、ゴレンジャー、三人ライダー、そしてショッカーは立ち向かってくるワリキレール星人を次々と蹴散らしながらUFOを目指す!

ライダ~ \(\o-) →(-o/) / ヘンシ~ン!→\(〇¥〇)/ トォッ!

「こっちだ、私に続いてくれ!」
 UFOに辿り着いた地球防衛軍は007の案内を頼りに、襲い掛かってくるワリキレール星人をなぎ倒しながらグースーの操縦席を目指す。
「この先を右に行けば……くっ、なんてこった……」
「え?……」
 007が得た情報によればこの先に操縦席があるはず……しかし、そこは銀色の扉に守られていた、おそらくはグースーの甲羅と同じ素材……。
「くそっ! ここまで来て……」
「気落ちしている場合かよ! ウルトラセブンの限界まであと30秒しかねぇんだぞ!」
 マッスルが突進するが、当然のように跳ね返されてしまう。

「みんな、みんなの元気をオラにくれ!」
 その時、背後から少年のような声。
「あ、あなたは?」
「オラ、ゴクウ、今元気玉を作ってるところだ、みんなの元気をオラにくれ! みんなの気を合わせればこんな扉ふっとばしてみせるぜ」
「おお! 既にスーパーサイヤ人になっている! わかった、ゴクウさん、あなたに力を集めましょう!」
「いいぞ! 元気玉がどんどん大きくなって来た! ん? この気は?」
 ゴクウの目に晴子から発せられる特大の気が飛び込んでくる。
「お前ぇ、陰陽師だな? すげぇ気だ! よし! ここまで大きくなれば……ウォォォォォォッ!!」

 ドカーン!

 UFOを揺るがす大音響と共に扉は粉々に吹き飛び、中にいたワリキレール星人たちも砕け散った窓から吹き飛ばされて行った。

「グースーは? ウルトラセブンは?」
 皆が窓に駆け寄る。

「やったぞ!」

 グースーから力が抜け、仰向けに拡がって倒れた、すかさず……。
「ダァッ!」
 アイスラッガーの一閃! グースーを三枚おろしだ!

 こうして三人ライダー、ゴジラ、ゴレンジャー、007、ウルトラセブン、ゴクウの活躍によって地球の平和は守られたのだ。

ライダ~ \(\o-) →(-o/) / ヘンシ~ン!→\(〇¥〇)/ トォッ!

「みんな、元気をありがとうな」
「ゴクウさん、それを一点に集中させるあなたの技があってこそです」
「じゃぁな、オラ、修行に戻るぜ」
 ゴクウは金斗雲に乗って飛び去って行った。
「それにしても……他はみんな実写なのにあの人だけアニメ……」
「そうだな……あ、作者、どうしてアニメと実写が混在してるんだ?」
「え? 今はCG合成とかできるじゃないですか」
「でも違和感がないか?」
「それぞれの読者がその方のイメージの中で一番自然な画を思い浮かべてくれますってば」
「随分と他力本願……」
「そこが小説の良いところなんです(キッパリ)」
「なんだか上手く丸め込まれたような……」

「お~い、君たち!」
「あ、あなたはモロボシ・ダンさん! お変わりありませんね」
「我々M78星雲人の寿命は地球人の百倍あるからな、地球人の五十年は私にとっては半年なんだ」
「なるほど……援軍、ありがとうございました、おかげで地球の平和を守ることが出来ました」
「いや、地球を守ることは私の使命だからな、君たちのおかげでグースーを倒せたんだ、私のほうこそ礼を言わねば……ところで……アンヌは今どうしているか誰か知らないか?」
「ああ、東京の郊外でアジア料理店を開かれています(実話)、ご主人がコックさんで……あ……」
「いいんだ、私とアンヌは異国人どころか異星人だからな、結ばれる運命にはなかったんだよ、今アンヌが穏やかで幸せに暮らしているならそれでいいんだ……教えてくれてありがとう、地球が再び異星人の侵略に晒される時、そのときは必ず駆けつけるよ」
「心強い……ありがとうございます」
「では、しばしサヨナラだ……ダァッ」
 モロボシ・ダンはウルトラセブンに変身すると空の彼方へと消えて行った。

「では、私もここらで失礼するよ、この件とは別に女王陛下からの指令を抱えているんでね」
「あ、ボンドさん、この度は助かりました」
「国と国のいさかいも危険だが、宇宙からの侵略となれば抛ってはおけんさ」
「ボンドさん、ボンド・カーは?」
「ははは、東京なら電車が一番速くて便利なのさ」
 ジェームス・ボンドは乱れたタイをきゅっと締め直し、指をピストルに見立ててお馴染みのポーズを決めると、白い上着を翻して新宿駅へと向かって行った。

「ゴレンジャーの皆さん……」
「良いってことさ、こんな老体でも役に立てて嬉しいよ」
「いえいえ、お若い動きでしたよ」
「夢中だったからな……しかし、ライダーマン」
「何でしょう?」
「良い医者がいたら紹介してくれないか? ちょっとばかり頑張りすぎたようだ、腰が……」
「もちろんお安い御用です、我々のマシンで……あ、五人でしたね、タクシーを捉まえましょう」
「頼むよ……」

「それはそうと、地獄大使は?」
「そうだな、いつの間に消えたんだろう?」
「まあ、今回は共闘したが、敵同士には変わりはない、馴れ合うのは嫌なんだろうな」

「一人忘れてない?」
 晴子の言葉に全員が歌舞伎町の方を向いた。
「忘れてないさ、唯一、今回の犠牲者だ……」
 そこには砕け散ったビルの瓦礫に埋もれたゴジラヘッド……。
「一日も早く再建してもらいたいな……」
「ああ……共闘した仲間、いわば戦友だからな」
 差し込んだ夕日にきらりと光ったゴジラの目。
 泣いているわけではなかったのだろうが……。
 三人ライダーにレディ9と晴子。
 チームの面々はその目の輝きを胸に深く刻み込んだ。


(終)