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こーぎープリッド
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ナルの夏休み エピソード0-0

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エピソード0 その1 まさかあの子が転入するなんて




試験がはじめる40分前、私、戸松ほむらは、アイドルになることを夢見た。

学院の補欠試験の会場に入る。寮生活も厳しいし学院ではダンスのレッスンとか歌のレッスンなどもあり、それと同時に他の中学生や高校生と同じ勉強をしなければならない。当然、偏差値が高いので授業が難しい。当然、脱落する子もいる。

 5月、すぐに脱落した子がでたので、補欠試験の知らせを見て、私はそれを受けた。でも・・・


「すみません、このたび補欠試験を受ける、戸松ほむらです」
「戸松さんですね。今回の応募は二人だけで、入学できるのは一人だけです。大丈夫ですか」
 私は中学校の学生服で試験を受けることになる。40分前、余裕持って行く。
「試験は午前9時からです。もうひとりの子は、まだ来ていないですね」
「そうですか」

 私が、この学院に入る確率は高いと思った。そして、9時ちょっと前、3分前にギリギリに、補欠試験に受ける子が来た。派手な普段着に茶色くとても長い髪。甘えたような喋り方で言った。
「すみません。おそくなって」
こんな子が学院に入れるの。これで、私は補欠試験が受けられる。補欠試験でも学力試験、体力試験もある。そして中学校の内申書に、どのくらい学力があるか担任の先生からの報告書も書類で送られる。これで、私は入学できる。

「では補欠試験を・・・」
 若い女性の教師が言った。
「ねえ、戸松さん。ごめんなさい。アイドルになるには、この学院でなくても、別の音楽学校とかダンススクールなど通うという方法があるの」
 補欠試験を行う職員室にいる事務の女性が言った。
「南先生、それはこの子に酷ですよ。やる気ありそうなのに」
「だから、やる気ある子が入ると・・・、でも、もうひとりの受験生、石岡さんでしたね。これから入学手続きをこれからしますから。で、戸松さん、ここまで来た交通費を書類に請求してください」

 何なの、この学院のいい加減さは。私は悲しい気持ちを通り越して怒りの気持ちがこみ上げた。
「なんで、なんで。試験もしないで、いきなり私のことをバッサリ、切るの。理不尽だわ。私、ほんとうにアイドルになりたいの」
「だからね、その本気があれば、別の学校を受ければいいでしょう」
 南先生は答えた。

「で、石岡さん、これから入学手続きです。今日は試験をしません。中学校から送られた成績書、内申書、試験の偏差値が送られて大丈夫だと確信しました。私立の学院ですから偏差値は高いです。それに全寮制ですから、みんなと協調できますか。集団生活ですから」
「はい」
 私は彼女に強い嫉妬を感じた。

「ごめんなさい。うちの学院には、この子を入れることにしたの。深い意味があるのよ。ごめんなさい学院の方針があるの。あなたは、今は、別の学校を受けなさい。きっと立派なアイドルになれるから。自分を信じて。自信を持って」
 そんなこといわれても、私の怒りの気持ちは収まらない。
 私は、あの南先生という若い教師を睨みつけた。
 南先生は、とても悲しそうな表情をした。泣くのを耐えた。

「戸松さん。うちの学院には、それなりのやり方があるの。他のアイドル養成の音楽学校とかダンススクール、ファッションスクールなど紹介するわ」
「もう、いいわ。大人は信用できない」
 南先生は、とても辛そうだった。