修復作業
自分の中にぽっかり空いた穴が
お母さんが夜に炊いたごはんで作る
できたてほやほやのおにぎりで
うめてしまえたら
いいのにな。
たとえば、自分の中にある小さいけどでっかい
バイキンが
口の中で溶けて
のどから流れこんできた
あまいあまいアイスクリームで
溶けてしまったら
いいのにな。
たとえば、
からだのどこの部分とも言えない場所で
うずまいたり
からまったり
霧みたいに広がる
もやもやが
お外から元気よく帰ってきた子どもみたいな
コップに勢いよくそそがれる牛乳みたいな
ボールをくわえて飼い主の元へかけてくる犬みたいな
そんな
突拍子もない
どこにはねるか飛ぶか予測不可能な
ころころとした流れにのって
かき混ぜられて
調和して
わたしの知らないうちに
わたしの知らないからだの部分で
消えてしまったら
いいのにな。