入院中の話
スティーブンが入院して2日目。最初にお見舞いに来たのは、母のサラであった。
「おはよう、スティーブ」
「あぁ、母さんおはよう」
病気のときは人恋しいのか、自分を訪れてくれる人が居て、スティーブンは何だかうれしかった。母親はベッドのそばにある椅子に腰掛けると、早速切り出した。
「夜はよく眠れた?」
「う〜ん、最初は傷が痛くてあんまり寝れなかったけど、メンバーとか家族のことを思い浮かべてたら、いつのまにか寝れた」
スティーブンは、下方を数秒間見たあと、ちゃんと母のほうを見て答えた。
「そう。みんなに会いたいのかしらね」
サラがそう言うと、困ったように笑って彼は返した。
「多分そうだね。さびしがり屋かな、俺」
それを聞いて、彼女もほほ笑みを見せた。
そのあと、母は話題を変えた。
「それで、ご飯はちゃんと食べれた?」
「うん。完食」
予想よりも早く息子の体調が戻りつつあると分かり、彼女はほっとした。
「良かったわ、おまえが元気そうで」
「いやいや」
スティーブンは照れ笑いした。
(n*´ω`*n) (n*´ω`*n) (n*´ω`*n) (n*´ω`*n) (n*´ω`*n) (n*´ω`*n) (n*´ω`*n)
しばしの沈黙のあと、サラが優しく言った。
「スティーブ」
「ん?何?」
「今回の病気はね、すごい痛みと苦しみがあったけど、神様がおまえに『休みなさい』ってくださったものだと思うの」
「神様がくださったお休みかぁ…(昨日のしんどさは普通じゃなかったけど)」
そう言って、スティーブンはしばらく天井のほうに目をやった。
「そうよ。だから、ゆっくり休んでなさい」
「分かったよ、母さん」
スティーブンはベッドの上に寝転んだが、急激に動いたので、手術したところが軽く痛んだ。
「いっ…」
息子の様子を見た母は、しょうがないわね、と言うように苦笑した。
出勤する母を見送ると、スティーブンはそおっとベッドに入った。そして、スマホでのネットサーフィンやオンラインゲームに興じた。昼食の時間まで、彼はこんなふうにうだうだしていた。