「かぐや姫」 第二話
「美加ちゃんゴメンね、遅くなって。お腹が空いているから泣いているのよ。すぐにミルク作るからもう少しお願いね」
「はい、おば様大丈夫です」
ミルクを飲んですやすやと眠っている赤ちゃんを見てボクは名前を考えないといけないと気付いた。
「母さん、美加、名前考えないといけないよ」
「そうだね。祐一は考えているの?」
「まだ考えていないよ。カプセルのメッセージでこの子は惑星かぐやから来たと聞いたから、かぐやという名前にしようか?」
「ええ~かぐや姫?まさか?」
「そのまさか。母さんはどう思う?」
「かぐや・・・どういう字にするの?」
「ひらがなでいいよ」
「まさにかぐや姫ね。ねえ?二十年経ったら迎えに来るって、もし本当ならこの子を手放すということになるのよね?」
「そうだよ」
「簡単に言うのね。親が現れて、ありがとうございましたって連れて行かれて、祐一は何も感じないの?」
「約束だからな。寂しいだろうけどそれが条件なんだ。美加もそれは承知しておいてほしい」
「そんなこと無理よ。大きくなってゆくにしたがって愛情が湧くのよ。お母さん、お父さんって呼ばれて育ってゆくのよ。よく考えてみてよ」
「そうは言われてもなあ~今は考えないようにする。二十年は長いよ」
「本当に簡単に引き受けたのね・・・私には手放す自信がないわ」
美加の言うことはもっともだと思う。
母親も同じことを言った。
それでもボクは約束を守らなければならないと言い聞かせて、かぐやとこれから先暮らそうと決めた。
場所は地球上にある一艘の宇宙船の中。
おびただしい損害を受けて、メインエンジンと生命維持装置が壊れ、自分たちの惑星には戻れなくなったかぐやの親がとった手段、それは脱出カプセルで自分たちの環境に似ている地球を選んで娘を育ててもらう方法だった。
「娘はどうやら無事育てられるようだ。思い残すことは無い。お前はどうだ?」
そう尋ねたのは宇宙船の船長で、かぐやの父親だった。相手は母親の乗組員だったが、
負傷して、ベッドに横たわっていた。
「はい、おば様大丈夫です」
ミルクを飲んですやすやと眠っている赤ちゃんを見てボクは名前を考えないといけないと気付いた。
「母さん、美加、名前考えないといけないよ」
「そうだね。祐一は考えているの?」
「まだ考えていないよ。カプセルのメッセージでこの子は惑星かぐやから来たと聞いたから、かぐやという名前にしようか?」
「ええ~かぐや姫?まさか?」
「そのまさか。母さんはどう思う?」
「かぐや・・・どういう字にするの?」
「ひらがなでいいよ」
「まさにかぐや姫ね。ねえ?二十年経ったら迎えに来るって、もし本当ならこの子を手放すということになるのよね?」
「そうだよ」
「簡単に言うのね。親が現れて、ありがとうございましたって連れて行かれて、祐一は何も感じないの?」
「約束だからな。寂しいだろうけどそれが条件なんだ。美加もそれは承知しておいてほしい」
「そんなこと無理よ。大きくなってゆくにしたがって愛情が湧くのよ。お母さん、お父さんって呼ばれて育ってゆくのよ。よく考えてみてよ」
「そうは言われてもなあ~今は考えないようにする。二十年は長いよ」
「本当に簡単に引き受けたのね・・・私には手放す自信がないわ」
美加の言うことはもっともだと思う。
母親も同じことを言った。
それでもボクは約束を守らなければならないと言い聞かせて、かぐやとこれから先暮らそうと決めた。
場所は地球上にある一艘の宇宙船の中。
おびただしい損害を受けて、メインエンジンと生命維持装置が壊れ、自分たちの惑星には戻れなくなったかぐやの親がとった手段、それは脱出カプセルで自分たちの環境に似ている地球を選んで娘を育ててもらう方法だった。
「娘はどうやら無事育てられるようだ。思い残すことは無い。お前はどうだ?」
そう尋ねたのは宇宙船の船長で、かぐやの父親だった。相手は母親の乗組員だったが、
負傷して、ベッドに横たわっていた。
作品名:「かぐや姫」 第二話 作家名:てっしゅう