「空蝉の恋」 最終回
「そうね。言い訳できなかったわ。有里が再婚したのは、じゃあそのあとすぐだったの?」
「うん。母に娘を預けて仕事初めて直ぐだった。向こうもバツイチだったけど子供さんは居なかったから、いまなら娘も懐くだろうと考えた。将来への経済的な面でも別れた夫からのわずかな養育費だけでは十分じゃないって思ったしね。佳恵は再婚を考えていないの?」
「私も離婚してから働くようになったの。そのおかげで有里ともこうして出会えたから感謝ね。実は娘と一緒に行った温泉で仲良くなった親子がいて、その方の紹介で今の仕事を始めたの。奥様を一年前に亡くされて高校生のお嬢さんと暮らしている。娘は再婚したらって言うんだけど、歳の差が15歳もあるのよ。今はいいけど、直ぐにおばあちゃんになるから、嫌われるのがイヤ」
「佳恵は昔からよく男の子に声掛けられていたわよね。そのたびに断っていて、誰とも付き合いしなかったわよね。私とは逆だった。私は直ぐに男子と仲良くしてきたから、あなたの気持ちが良く理解できなかった。今思うと美人かそうでないかの余裕の差なのかって・・・でも、女は歳には勝てないのよね、それは私も強く感じるわ。
15歳年下って言うのはちょっときついね。何だか佳恵の思いが悲しいわ~」
「うん、結婚しない人と最後までは出来ないと考えていたわね。だからそういうことなしで30歳になった焦りから夫と結婚した。そこからがすでに間違いだったのよ。娘にはたくさんの男性とお付き合いした方が良いと言っているけど、私に似たのか今初めて男の人と付き合いを始めたばかり。
彼は優しくて一つ年下だけどスポーツマンタイプで素敵だと思う。仲良くして結婚までいってくれると嬉しいけど、私は今のままでいいと思っているの」
「娘さんもあなたに似てきっと美人だろうから、素敵な彼さんが出来たのね。佳恵も今がチャンスだと思うけど、相手の男性も年齢のことは気にしてないのでしょう?だったら、積極的になるべきよ。もう子供作るわけじゃないし、素敵なセックスライフも楽しむべきよ。今が一番女としていい年齢なのよ。もう佳恵は何年もしてないんじゃないの?」
「有里・・・何ということを言うの。仲良くしている女友達にも同じようなことを聞かれるから、私は欲求不満って思われているんだと悲しいわ。そんな雰囲気が顔に出てるの?」
「男の人からはそう見られていると思うわ。最初に佳恵をパッと見て、恋をしているんじゃないの、って言ったわよね?それはそういう雰囲気を感じさせたということなのよ。自分では気付かないことかも知れないけど、そういう気持ちがあるんじゃないの?本当のところは」
「そうね、離婚するぐらいだから夫とは何年も夜は無かった。温泉に行った男性とキスしたのも心の底にそうなっても良いと思っていた自分がいたのよね。酔うと本心が出るっていうけど、あの時もっと積極的にされたら抱かれていたわね。今はね怖いの。ずっとそういうことが無いでしょ。夫は感じさせてくれなかったから、もし彼が・・・女って身体と気持ちが一緒だから、ダメな男性でもそうなると尽くしてしまうのよね」
「うん。母に娘を預けて仕事初めて直ぐだった。向こうもバツイチだったけど子供さんは居なかったから、いまなら娘も懐くだろうと考えた。将来への経済的な面でも別れた夫からのわずかな養育費だけでは十分じゃないって思ったしね。佳恵は再婚を考えていないの?」
「私も離婚してから働くようになったの。そのおかげで有里ともこうして出会えたから感謝ね。実は娘と一緒に行った温泉で仲良くなった親子がいて、その方の紹介で今の仕事を始めたの。奥様を一年前に亡くされて高校生のお嬢さんと暮らしている。娘は再婚したらって言うんだけど、歳の差が15歳もあるのよ。今はいいけど、直ぐにおばあちゃんになるから、嫌われるのがイヤ」
「佳恵は昔からよく男の子に声掛けられていたわよね。そのたびに断っていて、誰とも付き合いしなかったわよね。私とは逆だった。私は直ぐに男子と仲良くしてきたから、あなたの気持ちが良く理解できなかった。今思うと美人かそうでないかの余裕の差なのかって・・・でも、女は歳には勝てないのよね、それは私も強く感じるわ。
15歳年下って言うのはちょっときついね。何だか佳恵の思いが悲しいわ~」
「うん、結婚しない人と最後までは出来ないと考えていたわね。だからそういうことなしで30歳になった焦りから夫と結婚した。そこからがすでに間違いだったのよ。娘にはたくさんの男性とお付き合いした方が良いと言っているけど、私に似たのか今初めて男の人と付き合いを始めたばかり。
彼は優しくて一つ年下だけどスポーツマンタイプで素敵だと思う。仲良くして結婚までいってくれると嬉しいけど、私は今のままでいいと思っているの」
「娘さんもあなたに似てきっと美人だろうから、素敵な彼さんが出来たのね。佳恵も今がチャンスだと思うけど、相手の男性も年齢のことは気にしてないのでしょう?だったら、積極的になるべきよ。もう子供作るわけじゃないし、素敵なセックスライフも楽しむべきよ。今が一番女としていい年齢なのよ。もう佳恵は何年もしてないんじゃないの?」
「有里・・・何ということを言うの。仲良くしている女友達にも同じようなことを聞かれるから、私は欲求不満って思われているんだと悲しいわ。そんな雰囲気が顔に出てるの?」
「男の人からはそう見られていると思うわ。最初に佳恵をパッと見て、恋をしているんじゃないの、って言ったわよね?それはそういう雰囲気を感じさせたということなのよ。自分では気付かないことかも知れないけど、そういう気持ちがあるんじゃないの?本当のところは」
「そうね、離婚するぐらいだから夫とは何年も夜は無かった。温泉に行った男性とキスしたのも心の底にそうなっても良いと思っていた自分がいたのよね。酔うと本心が出るっていうけど、あの時もっと積極的にされたら抱かれていたわね。今はね怖いの。ずっとそういうことが無いでしょ。夫は感じさせてくれなかったから、もし彼が・・・女って身体と気持ちが一緒だから、ダメな男性でもそうなると尽くしてしまうのよね」
作品名:「空蝉の恋」 最終回 作家名:てっしゅう