小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

遅くない、スタートライン第3部 第4話 10/3更新

INDEX|11ページ/13ページ|

次のページ前のページ
 

(7)

あっくんがお絵かき教室から出てきた。今日はお絵かき教室年内最後で、先生からクリスマスプレゼントをもらったようだ。クマの紙袋を嬉しそうに手に提げて私のところに走ってきた。今日は12月22日…明日はクリスマスイブイブである。私は妊娠6ヶ月になり安定期に入った。この時期にやっと…カフェと病院以外のお出かけの許可がマサ君が出してくれた。今日はマサ君ことパパは、ファクトリーマシャの仕事で午後の2時半に終わる。

「よかったね!先生からもらえたの。何もらえたの?」あっくんと手をつなぎながら私は言った。
「えっとねぇ!」嬉しそうに話し出すあっくんだ。まだパパの仕事が終わるまで小一時間ほどあった。
「あっくん…クリスマス会でもうおなかいっぱいかな?」
あっくんの目が輝いた。この子…私が外でこう言ったら、何か食べさせてもらえると思ってるようだ。さすが、マサ君の子だ。

私とあっくんは、ファクトリーマシャの近くのドーナツショップに入った。あっくんがお兄ちゃんモードが入ってるので、飲み物はショップスタッフに運んでもらったが、ドーナツは自分で持ってきたんだ。子供の成長は著しいが、施設にいるジィジ達は、あっくんを見るたびに【大きくなった】と言う。私もパパもそう思う!身長が伸びたのと体重も増えた。身長も今…120センチ近くあるし、体重も21キロあるんだ。おかげで幼稚舎では大きい方に入る。

「あっくん!1個ずつだよぉ!ドリンクは1パイだけ」
「ママもだよ!いっしょ」はいはい…あっくんにも監視されてるのね。ワタシ!
2人でドーナツを食べてる写メを、もちろんパパのラインに送ったのは言うまでもない。ちゃんとパパの分まで買ってるわよ。ドーナツ!じゃないとスネるもん。

私はあっくんが一生懸命…チョコレートのドーナツをほおばっているのを見た。エエ顔してるぅ(*^^*)私はカメラをかまえて…
「おいしいですか?ふくだあきと君」と言ってやったら…
「うんまぁ!です」笑顔で言った。またぁ…パパのマネしている。シャッターを切った時だった。後ろから視線を感じた。少し体をひねってみたが、誰もいなかった。気のせいか?

あっくんがドアを開けてくれて、私はショップの外に出た。あっくんは私のおなかがドアに当たらないように、家でも外でもドアを開けてくれるんだ。優しいお兄ちゃんになりそうだ!あっくんの手をつないで、ファクトリーマシャの正面玄関の前に来た時に後ろから、私とあっくんを呼ぶ声がした。

あっくん(*^^*)大喜び!あきやくんとみはるちゃん!2人は手をつないで車から降りてきたところだ。また続いて上のふたご兄ちゃん・姉ちゃんも降りてきて、最後に美咲さんが降りてきた。
「美咲さん!」私は手を振った。美咲さんも笑顔で手を振り返してくれた。

今日はファクトリーマシャのクリスマス会なんだ。23日から25日まで【ファクトリーマシャのファン冬の大感謝祭】と連日で【合同冬の感謝祭】が行われるので、毎年行っているクリスマス会を今年は日を早めたそうだ。真理子第2副院長先生と高茂久院長先生もクリスマス会に招待されていて、総合案内のところでお会いした。

「あらぁ…服にもよるけど。美裕さん…横に広いね。おなか」
高茂久院長先生が私のおなかを見て言った。そしたら真理子第2副院長先生が笑い出した。
「でしょ。この前の妊婦健診の時にねぇ」また真理子第2副院長先生が口に手を当てて笑い出した。
「もう性別わかったの?確定?」今度は美咲さんが私に聞いた。そしたらあっくんが…
「いもーとなの!」また大きい声で言った。
「うん!で、その時のパパの顔がぁ」また真理子第2副院長先生が嬉しそうに話し出す。

後ろから…
「その時の俺の顔がどーかしましたか?真理子第2副院長先生」と声が聞こえた。あっくんは振り返ってパパに飛びついた。あっくんを片腕で抱き上げたマサ君ことパパは…ちょっと強気か?真理子第2副院長先生を軽く睨んだ。

「おぉ…強気じゃん。美裕ちゃんの前だからカッコつけ?」やはり真理子第2副院長先生の方が上手(うわて)だ。
だって、後ろにいた准さん達がマサ君の腕をバンバン叩いたんだもん。やめろぉ!って!マサ君…頭かきながら、
「イエ、すんません。真理子第2副院長先生」と頭を下げた。
「ったく。横の同期ダチで予防線張りやがって…っとごめんなさい」
今度は高茂久院長先生が真理子第2副院長先生を睨んでいた。これは悪いけど、私と美咲さんは笑ってしまった。

そうなんです。先週の妊婦検診で【女の子】確定になったんです。パパは最初は【おとうと】が欲しかったみたいだが、4ケ月ごろからあっくんと同じ【いもうと】がいいと言い、真理子第2副院長先生から【おんなのこ】と言われ顔が思いっきりニタついたもん。私は…おとうとが欲しかったけど。ま、五体満足で産まれてくれたらどちらでもいいわぁ。

ファクトリーマシャのパーキングから、またマイクロバスでホテルに行った。あっくんはこのマイクロバスがお気に入りのようで、私にカメラで撮ってと言った。はいはい…私はレンズを変えてバスを撮った。そこに雅樹兄貴がやってきて、私のカメラでまたバスを撮ってくれた。
「あっくん!今度はあっくんが撮ってみるかぃ?ほら」
あの重いあっくんを、軽々と肩車して自分の頭の上にカメラを置かせ、教えながらシャッターを切らせていた雅樹兄貴だ。すごい腕力!マサ君もすごいけど…上には上がいるのね!

「おい(俺)は、まだ上の舜樹を肩車できるよ。上下ふたごが肩車してぇって言って、舜樹だけしないわけにはいかんでしょ?日々トレーニングだじぇ。うちの春花…もうすぐ舜樹に体重抜かれるわ」笑いながら言った雅樹兄貴だ。

ブランケットホールで、家族ごとにテーブルに座りクリスマス会を楽しみ、子供達は社長からプレゼントをもらい、ワイフ軍団は副社長からプレゼントもらった。雅樹兄貴達・マサ君達はイベントが全部終わったら、クリスマスプレゼントとお年玉ももらえるそうだ。どんなプレゼントもらって、お年玉って現金ですか?(笑)とワイフ軍団で話が盛り上がっていた。

帰りも…マイクロバスで自宅の前まで送っていただいた。うちが一番最後だけど(*^^*)窓から見た夜景が綺麗で、マサ君の許可をもらって撮影した私だ。あっくんは遊び疲れ・笑い疲れでまた…マサ君の膝の上で口を開けて寝てた。
「ったく…こいつは!ファクトリーマシャに来るたびに帰りは絶対寝てるよな」
「うん。楽しいもん…あきやくん達もいるし、今日はイベント尽くしだもん。あっくん!ビンゴゲームに目キラキラしてたよぉ。お正月にビンゴゲームしたいぃ!って言ってた。景品考えてしない?私もしたい」
「はいはい!俺もだ!年内の仕事終わったらまた買い物ツアーだな。あ、モアちゃんのもな!」
「はいはい…ピンクばかりダメよ。ホワイトやイエローも買ってね!ベビー服」
「エェ…あかんの?俺ピンク一色にしようかと!イエ…買います」
私が睨んだから、撤回したけど?マサ君パパ!