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てっしゅう
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「空蝉の恋」 第三十二話

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徳永とのドライブで感動的な夕日に心を奪われて、身を任せてもよいと思ってしまった自分、酔いがあったとはいえ好きに感じた男性がいたのに和仁とキスをしてしまった自分、そして初めて二人で話をしただけなのに斎藤への思い。
そんな惚れやすい自分がどこに隠れていたのだろう。

分からなくなっていた。自分は徳永や和仁や斎藤とどうなりたいのか、がだ。
夫以外の男性を強く意識するようになって、抑えていた恋心が爆発しようとしているのか、それぞれの年下の男性に別の魅力を感じて母性本能が働くのか、夫への仕返しにたくさんの男性と関係しても構わないと自暴自棄になっているのか。

一つだけ真実があるとすれば、女を感じたいとの思いだろう。
それは求められることであり、求める気持ちでもあり、抱かれることでもある。
離婚したことでそれまでの自分よりは恋愛に関しては開放的な気分が感じられる。
しかし、不思議なことも感じられる。禁じられている時の方が、抑えている自分に対して反発しようとする自分の思いが強く出る。

いけないと思う気持ちの時のほうが、強く男性を意識するのだ。
人間とは不思議だ。お金を与えられると欲しいものがなくなり、時間が与えられると頑張ろうとはしなくなる。
恋愛も独身になると慎重になったりする。誰とでも自由に恋愛を楽しめばよいという気分にはなれなかった。

徳永も結婚を求めて来るだろうし、和仁もそうだろう。
誰を選ぶにしても今の自分には結婚を求められてしまう状況にある恋愛しか選択できないという枠が出来上がっている。
簡単に言うと重い恋愛になる。徳永さんと最後までは許さずにお互いが刺激し合う関係でお付き合いをする。

和仁さんとも恵美子を含めて何でも話し合える友達以上恋人未満でのお付き合いがしたい。
斎藤さんだけは子供のこともあり、慎重にならざるを得ない。
こんな恋愛を自分が使い分けることが出来るのだろうか。

翌日の休みの日に恵美子から誘いの連絡が来た。
ランチをしようというのだ。
和仁から様子を聞いて来いとでも頼まれたのかも知れない。
私は本当のことを話そうと決めた。迷いがあることは確かだが、やりたいことも見えない自分に、今は正直でありたいと思うのだ。