気にしません♡(双子と三つ子)
暫くの沈黙。
ぼそっと多美さんが呟きました。
「…その理屈で行くと、佐美ちゃんが私達を見分けられないのは…愛が足らないからって事だね。」
「たぁー!」
涙目で叫ぶ佐美さん。
佳子さんが、取りなす声を出します。
「私達誰も、佐美姉さまの愛 疑ってませんから!」
今にも大泣きしそうな佐美さんに、多美さんは必死で謝りました。
「ご、ごめん佐美ちゃん、ほ、ほんの冗談だから!」
涙が滲んだ目で、佐美さんはそっぽを向きます。
多美さんは、猫なで声で擦り寄りました。
「学校終わったら…佐美ちゃんお気にの<カフェ敦賀>に行こ?」
察した佳子さんが、慌てて調子を合わせます。
「わ、私も、ご一緒させて頂きます。佐美姉さま!」
下唇を噛んだ佐美さんは、横目で2人を見ました。
「でも私…もう今月は、あんまり お小遣い、残ってないし…」
多美さんが、佐美さんの耳に口を近づけます。
「…紅茶代にプラスする、ケーキセット代、私が出してあげるから。。。」
「え、ホント?」
すっかり機嫌が治った佐美さんは、手の甲で涙を拭いました。
「じゃあ、今日の放課後、3人で<カフェ敦賀>で お茶ね!」
作品名:気にしません♡(双子と三つ子) 作家名:紀之介