そわそわと(双子と三つ子)
「…先に家を出た私より、何で早く着いてる訳?」
廊下に掛けられた絵を眺めて 待ち時間を潰していた背中に、掛けられる声。
振り向いた目に入ったのは、私と同じ姿形の人間でした。
「か、佳子? い、いつの間に…廊下の奥のトイレから 玄関ホールまで移動したの!?」
私の問い掛けに、質問が返されます。
「たぁ なの? それとも なぁ??」
困惑して、沈黙する2人。
「おーまーたーせー♡」
そこに、もう1人、同じ容姿の人物が登場します。
「あ、亜子ちゃんが…ぶ、分裂してる!!」
作品名:そわそわと(双子と三つ子) 作家名:紀之介