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遅くない、スタートライン 第3部 第2話 9/18-2更新

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(1)

マサ君が三ちゃんに強引に車に押し込められたのが、午前5時半だった。また音楽会社の社長も車の中にいた。社長がいるって事はすんごい事態になってるってことよね?車の中から社長自ら、私のスマホに電話を入れてくれたのだが。私は驚きすぎてスマホを落としてしまったが、横にいた諒君が私のスマホをキャッチして、代わりに電話にでてくれた。諒君は近くにあったノートパソコンを操作して、画面を見せてくれた。私の目に飛び込んだ文字は…

【スィーツロード 初回視聴率35.9%!!MASATOが歌った主題歌【スィーツ・マジック】午前0時より音楽サイトダウンロード開始から、3時間で70万ダウンロードされた!近日中にミリオンセラー達成かも!】

私は思わず目をつぶって、指で眉間を押えた。千尋さんが出勤してきて諒君に叫んだ。
「諒君!美裕の体支えて!!」この声が聞こえたが、後はもう聞こえなかった私だ。

俺は美裕がインターネットの画面を見て貧血を起こしてるなんて、思いもしなかった。いや…俺もヤバイんだ。横の福永兄貴がテーブルの下で俺の腰を記者たちから見えないように支えていた。竜生兄貴は俺の後ろにいた。俺が倒れたらいけないと思って付いていてくれたみたいだ。

フラッシュが眩しくて目も痛くて、何回か瞬きもした。それを同期の准が見ていて福永兄貴にうなづいた。准はマイクを持って…
「記者さん達!MASATOが目が痛いって。フラッシュ絞ってください」と言ってくれたので、目は救われたが…
記者会見が終わってから、俺は福永兄貴達の予想通りに体がグラついて、またブラックアウトになってしまった。後で聞いたんだけどさ、同期の耕太が俺をオンブして、医務室に運んでくれたそうだ。医務室には真理子第2副院長先生が待機していた。あの先生…ホント噂通りだった。俺のケツに注射を打って喜んでいたそうだ。変態だ!でも准たちに言わせたら、真理子第2副院長先生にケツに注射を打ってもらったら、売れるジンクスがあるそうだ。福永兄貴たちも准たちも打ってもらって今の地位を築いたんだって!

「MASATOぉ!写メ撮ってやったぞぉ。美裕っちに見せてやろう。ウッフ」自分のスマホを俺に見せた真理子第2副院長先生だ。
俺は悔しいことにまだ体に力が入らなくて、処置室のベッドで手をワナらせていたら…
「言っとくぅ!周りにいる雅樹や竜生とブラザーズは私の僕よ!あんたもこれから私の僕になるんだからね」
俺は口を開こうとしたが、そばにいた石田先生の手で口を塞がれた。抵抗すんな?って。兄貴たちも准たちもうなづいた。

真理子第2副院長先生が部屋を出てから、兄貴たちにコンコンと真理子第2副院長先生には逆らうな。隙を見せたらヤラれるぞと!言われた。
その時だった。俺のスマホから着信音が聞こえ、三ちゃんが出た。

「エェ!美裕さんもですか?あぁ…そうなんですよぉ。どうします?MASATOは真理子第2副院長先生が今ケツじゃなかった。お尻に注射打ってもらったんで、もう少ししたら動けますが。わかりました…MASATOに伝えます」

何かあったんか?

「MASATOさん!美裕さん…インターネットの画面見て貧血起こしたそうですよ。ちょうど、高茂久総合病院の北村先生と奥様がカフェにいらしてて、北村先生が処置してくれたそうです。今は点滴でカフェの2階で寝てるそうです」
「み、美裕倒れたん?うわぁ…俺寝てる場合ちがう!」俺はベッドから起き上がったが…福永兄貴に手でベッドに戻された。

「北村第3副院長先生の処置やったら大丈夫だ!お前もまだ動いたらあかん!先生…いいタイミングだな。あ、石田秘書が一緒か?奥様じゃ処置できんだろう?」
石田先生は自分のスマホを操作して、
「うん。今日は学会の下調べでさ、うちの美咲さんが運転して近くの大学病院に行くと言ってたぞ。あ、奥様はカフェに行きたいと言ってたから一緒だったんだな!」
「大丈夫だよ!石田秘書も正看護師さんだし、同じ貧血持ちだし。心配すんなよ!MASATO」と真吾が言った。
「うんうん。石田秘書のバックには貧血の薬も常備してますもんね。石田先生」
「うん。うちの奥さんも嬉し貧血よくしたもんさ。春花さんもな!」
その声に周りのスタッフが笑った。常習犯ってことか?兄貴らの奥さんも!

福永兄貴が俺の手を軽く叩いて…こう言った。
「これから忙しくなるぞ。お前…ハネムーン手配したんか?社長達がスケジュール組む前に強行突破でもして、美裕ちゃんとハネムーン行け!あきとくんを迎える準備も速攻でしろ。ま、社長関係は俺に任しておけ」あのマァスマイルをした。ッゲェ…なんでここでマァスマイルするんだ?

准たちは俺の顔を見て、ワザとか?両手で自分の顔を覆った…

その30分後に、社長と副社長と音楽プロデューサーが医務室に来た。兄貴たちはもう帰っていなかった。
「MASATO!!おまえ福永さんにお願いしたのか?」が医務室に入った社長の第一声だった。ふ、福永兄貴何いうたん?