過ぎゆく日々
バランス
最近、いや以前からであろうか、世界の気候がおかしい。極寒に襲われる所があるかと思えば、灼熱地獄のような所もある。また、大雨で洪水に見舞われる地域もあれば、干ばつに悩まされる地域もある。
地球全体で見れば、それでバランスが取れていると聞いたことがあるが、個々の地域の住人たちにとってはたまったものではない。
自然界のみならず、人間の社会でも似たようなバランスが存在するように思える。
善人もいれば悪人もいる。億万長者がいる一方で極貧生活者もいる。健康そのものの人もいれば大病を患う人もいる。
その比率は、普通の人を大半に、その枠からはみ出す事例が上下に同じ割合ずつ存在しているように思える。つまりバランスが保たれているということだろうか。
そんな中で、善い行いをする人が成功し健康にも恵まれる、というのであれば納得できる。ところが現実は時代劇の勧善懲悪のようなわけにはいかない。世の中、そう単純明快というわけにはいかないのだ。
何であの人があんな苦労を…… 何であんな人がいい思いを…… そんな理不尽なことがあちらこちらに転がっている。
それでも人は、すべてを受け入れて自分の道を歩んで行くしかない。小さな喜びや温かい励ましに支えられ、理不尽なことを跳ね返し、自らの幸せを見出していくしかないのだ。
すべては地球上で起こっていること―― 笑ったり泣いたりしながら、やがては新たな命と入れ替わる。それだけは万人に平等なのだ。