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過ぎゆく日々

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居場所


 新しい時代「令和」が始まり、それに伴う超大型連休は終わった。気分も新たなスタートをと言いたいところだが、現実には祭りの後、といった虚無感とともに、休み疲れ、連休ボケとの戦いが待ち受けていた。
 連休前のそれまでの生活に戻っただけのはずが、その居場所がどうもしっくりこない。そもそも自分の居場所とはどこだろう……などと考えてしまうのは、五月病といわれるこの時期特有の体調のせいだろうか。
 お盆明けは暑く、正月明けは寒い。それに比べて気候はいいはずなのだが、なんとなく体はだるく気分が冴えない。きっと寒暖差というのも心身には堪えるのだろう。
 
 若き日は、学校や職場という自分の居るべき場所があった。そして、家庭を持てば、そこに根を張り子育てに奮闘した。しかし、それらの役目を終えてしまうと、現在の長寿社会、長い余生と向き合うことになる。
 悠々自適――それは経済的にも身体的にも恵まれた人が手にすることができる暮らしだ。多くは、生活のために老いても働くか、あるいは弱った体で病と闘うか、そんな老後だろう。
 でも、たとえそんな中であっても、楽しい仲間や温かい家族がいれば、どんなに癒されることだろう。人は人によって救われる。ある程度の年齢になったら、将来を見据え、その下地を作っておくべきだろう。そうすれば、居心地のよい居場所はきっと誰にでもあるのだ。

作品名:過ぎゆく日々 作家名:鏡湖