過ぎゆく日々
選挙前の驚愕
投票日2日前、列島に衝撃が走った。その日1日、各局は報道特別番組に切り替え、刻々と最新情報を伝えた。
浅い見識しか持たない身で軽々しいことは言えないが、選挙を妨害するというより、私怨を晴らすために選挙活動の場を利用したように感じられた。動機は何であれ、許しがたい暴挙であることに違いはない。
群衆の中で発砲なんて、一つ間違えれば大変なことになっていた。銃社会でもない日本では全く考えられない事態だ。
本日、告別式が行われ、多くの人に見送られる元総理。遺影の笑顔と自ら奏でられるピアノの音色が心に刺さる。
そして、個人的に心に残ったことが二つ。
一つは、警備責任者、その場にいたスタッフの苦悩がいかばかりかということ。それが仕事とは言え、こんな重大な結果になってしまい、外部からは警備体制の不備を追求され、内部でも大変なことになっていることは想像に難くない。関係者、その家族は針のむしろではないだろうか。
そして、何よりご遺族の悲しみだ。世間を揺るがす大事件だが、身内にとって家族を失うことに著名人も庶民も変わりはない。特に配偶者を突然奪われる苦しみは筆舌に尽くしがたい。奥様の悲しみはこれからますます深くなっていくことだろう。お気の毒で言葉もない。
容疑者の家族だって、もう穏やかな日々など送れないに違いない。誰もが傷つき悲しみに暮れることに――犯罪とはそういうもの。だからこそ、決して起こしてはならないもの。
10日の選挙は無事行われたが、誰もが心に何かを残すという特別な選挙になってしまった。
コロナに始まり、予期せぬ戦争、そして一見平和な日本での銃による惨劇。
混沌とした世界、いったいいつまで続くのだろうか。
合掌
2022.7.12