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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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LOVE BRAVE外伝 第5話

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 一行は出口へ移動した。そこには、明るく輝くタペストリーが飾られていた。そこには、大きく描かれた指輪、ネックレス、イヤリング、ブレスレットと、その下に「BE BRAVE AND YOU WILL CONQUER NIGHTMARES」、日本語に訳すと「勇敢であれ、そうすればおまえ(たち)は悪夢を制するであろう」という意味の文言が描かれていた。一同はしみじみフェースでそのタペストリーを見た。そのあと、作者がこう言った。
「これで、この建物にふさわしい住人はあなた方『LOVE BRAVE』であることが証明されました」
「やったぁ!!」
 ホシノさんも、両腕を小さく挙げて喜んだ。そして一同はうなずきながら拍手をした。

 その直後、スティーブンがヒューゴに尋ねた。
「ところでヒューゴ兄さん、何でアクセサリーを投げ入れれば、キング・ナイトメアを倒せるのが分かったんですか」
「あ、それ、自分も気になってた」
 ジミーもさりげなくつぶやいた。ヒューゴは答えた。
「最終決戦の前、大きな壁紙を見ただろう?あれの下のほうに書かれた文章を読んでた」
「何て書いてあったの?」
 フィルが尋ねると、ヒューゴは答えた。
「『四種の宝を 黒き大甕に投げ入れよ。したらば汝ら 大甕の主(ぬし)となりて 一つの望みをかなえられん」
「おお〜」
 聞き慣れない言葉をすらすらと話すヒューゴに、仲間たちは拍手した。
「つまり俺は、『四種の宝』を例の特殊なアクセと解釈して、あの指示を出したってわけだ」
「そういうことか」
「さすがです、ヒューゴ兄さん」
「やっぱりヒューゴは目の付けどころが違うなぁ」
 メンバーは、「賢明な」ギタリストを口々に褒めた。

 作者はほほ笑みながら皆を見ると、大きな扉に目を向けて、
「扉よ、開いて!」
 と元気に言った。すると、ばっと扉が開いた。一同は、大喜びして扉の外に向かった。
「あらためまして皆さん、最後まで戦ってくださり、ありがとうございました」
 作者がお辞儀をして言ったとき、地面が揺れ出した。
「え…?な、何でしょう…」
「もしかして、この建物、崩れる!?」
 ジミーが次第に声を大きくして言った。確かに、この揺れだと大きな城も崩れそうだ。全員が驚き、急いで階段を下りた。

 一同が城を離れると、何とその巨城は崩れるのではなく、高さがどんどん低くなっていった。
「お城が、沈んでく…」
 スティーブンがぼそりと言った。
「せっかく自分たちの秘密基地になったのになぁ」
 ジミーも残念そうだ。
 やがて、LOVE BRAVEのシークレットベースになるはずの建物は、地面の底に眠った…。
「でも正直、今すぐ必要ってわけじゃないし」
 ジミーが言うと、ヒューゴが続けた。
「俺らの音楽活動は、今の環境で十分できるからな」
「ですよね〜」
 ホシノさんが軽く言った。


 いよいよ、彼らが帰還するときが来た。作者が「アイジョウウインドウ」で現実世界への窓を開き、彼女の先導で一同はそれを通った。

 現実世界にて ―
「すごい冒険だったねぇ」
 ジミーが、「楽しかった」感たっぷりに言った。
「楽しかったよね〜。でもアクションはもういいかな。僕らはバトルよりも、音楽やってる方が合ってる」
 フィルがそう言った。
「そうですよね。僕たちむしろ、ある意味で平和を説く職業ですから」
 スティーブンが言うと、
「おまえのそういうところ、父母譲りだな」
 ヒューゴが言って、若き相棒の頭をやや乱暴になでた。


 あの悪徳プロデューサー、ベン・ドレーク氏の消息は、誰も知らない。


      それはともかく、ありがとう、LOVE BRAVE!


              ― The End ―