盗賊王の花嫁―女神の玉座4―
「三人一緒に庭の花や木を育てていられる時間をもっと続けられればよかった」
ニディとネハと姉弟のように、親子のように庭木を育て花を植えた日々は来世ではもうとりもどせない。
「信じましょう。次は今よりも幸せになれることを」
あいかわらずネハは強い。こんなにもか細い体をしてけして折れない魂の輝かしさに、自分は惹かれていったのだ。
「そうだね。僕等の神はきっと、幸せな来世も約束してくれる。上手く行けばきっと、旦那様もご理解なさってくれるし、ニディともまた会える」
そう言いながらも毛色の変わったあの灰色の髪の監理局員が気になっていた。
監理局本局が何かを嗅ぎつけている。
彼らによって再び自分達の神が奪われやしないだろうか。復活祭まであと三日。なにごともなく時が過ぎ、失われた神と無事対面し世界があるべき姿へ戻ることを祈るばかりだった。
作品名:盗賊王の花嫁―女神の玉座4― 作家名: