社会に不適合な二人の
時差十字空烈刃
私達が住んでいる町は田舎でしたが、隣県のベッドタウンとして段々と住民が増えるのに合わせて店舗なども増えてきました。
自治体の緊縮財政に人が増えて、道は狭いままに交通量が増えてしまったので、最近は信号で調整している交差点が多い感じです。
弟に車で駅へと送ってもらっていた時のことです。
目の前の車が見切り発進をしたところで、赤信号が変わらないのに気が付いて中途半端なところで停車しました。
「ハハハ!ここは時差式だ!かかったな!」
その車に対して弟は銀河万丈さんのような声で言い放ちました。
この信号は地元の人間は良く知っている時差式の信号で、向かい側の車の通行が先にされる場所でした。
「アホが!」
「時差式って書いてないからねー。」
「昔は書いてあったんだけどなー。」
普段の弟の声は高い方ですが、たまに無駄に良い声を出します。
そして無駄に銀河万丈なのです。
――
[かかったな!アホが!]…ジョジョの奇妙な冒険に出てくる、ザ噛ませ犬ダイア−さんの台詞。
[銀河万丈]…ガンダムのギレン総統とかの声をやっている、芸名負けしない渋い声が出る人。
[時差式信号]…右折出来ない車が後の直進車を止めてしまうような交差点に設置する罠。
作品名:社会に不適合な二人の 作家名:春川柳絮