社会に不適合な二人の
お前あなたと呼び合う間柄
私と弟と兄とは、お互いをその間柄ではなく名前で呼び合います。
「お兄ちゃん。」
とか。
「弟。」
とは呼びません。
兄は兄なので当然ですが、私や弟のことを呼び捨てで名前を呼びます。
私は兄等というのも名前で呼ぶのも気恥ずかしいので、なるべく主語を省いたり、代名詞をつかって呼びます。
そして問題の弟は兄のことを「○○(兄の名前)ちゃん」と呼びます。
これは子供の頃の癖がそのまま残った物でしょう。
しかし私のことは。
「なあ、○○(私の名前)。」
と、そのまま名前で呼び捨ててきます。もしくは。
「お前さ。」
です。
一応私が先に生まれたはずです。
尊敬の欠片すら感じられない呼び方ですが、尊敬されないような子供時代を共に過ごしてきたと言うことなのだと、その一言で分かる間柄です。
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[○○(兄の名前)]…昔横浜ベイスターズの監督をやっていた方の愛称が入ります。
[○○(私の名前)]…とある野球球団のオーナーをやっている方の名字の一部が入ります。
作品名:社会に不適合な二人の 作家名:春川柳絮