社会に不適合な二人の
頑なに適合しようとしていない
私は親からもかたわ者と言われ、何度も繰り返し頑固だ頑固だと言われたほど頑固です。
と言いますか、融通が利きません。
私が飲食店でアルバイトをしていた時の話。
「抹茶アイス一つ。その上にホイップクリーム付けて。あるでしょ。」
「そのようなサービスはしていないので、申し訳ありませんが。」
「この前頼んだらしてもらったよ。」
「その時は、その回限りと言うことで了承いただいてご提供したと記憶しているのですが。」
「良いじゃねーかよ。」
「申し訳ありませんが。」
「もう良いよ!」
そうして、数分もしないうちに別のウエイターの人が呼ばれて、その人と何かやり合っている様子。
そして帰ってきたウェイターの女の子が店長に。
「○○番の客が、アイスにクリーム付けろってくどいから出しちゃって良い?」
「もうええわ、出したれ。」
その会話を聞いていて何とも暗い気持ちになりました。
アイスにクリームを付けて提供するのが許せないのではなく、それが正当なサービスになったら、この出来事があっても、アイスのクリーム付きを笑顔で提供するぐらいに節操がない人間です。
しかし、どうにも、無理矢理文句を言ったから要求が通るのが許せないという気持ちがあって、私に無茶なサービスを強いてくる人に絶対に了承しませんでした。しかし、その時実はかなり精神的にきてるのです終ぞ口から了承の言葉が出てきません。
了承した方がみんな笑顔なような気がしてるのですが、どうにもそういうことに適合できません。
そのことでお店側に何かを言われたことは一度もありませんでしたが、そういうお客さまを接客することに上手に心がやれなくなって、飲食店のアルバイトは自分からやめてしまいました。
社会に望まれているのは、それを笑顔で了承できる人間なのは分かっているのですが……。
作品名:社会に不適合な二人の 作家名:春川柳絮