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社会に不適合な二人の

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色んな人にゴメンナサイ


 私は学校を休んでいるのにバイトはしていて、弟は学校は卒業したのにバイトもしてないという、ちぐはぐな状況で、私からすればどちらも駄目駄目な人間なのですが、古い人間である祖母にとっては働いている人の方がやっぱりまともと言う感覚があります。

 昼間に私が庭で車を洗っていたりすると、祖母も外に出て来て眺めているので、作業しながら話をすることがあります。話したりするのは私の甥や姪の話だったりしますが、その話がとんでもない方向に行きます。
「そう言えば、日向は絵本とか読むの?」
「もう次小学校に入学するだから。」
「じゃあ、もう漫画なのかな。」
「一年生とかそういう本あるんじゃないの。」
「あるねえ。でも入学前だと入学準備号かな。」
「そういうのがあるなら、そっちのほうがいいわ。」
「はー、それにしても疲れる……。」
「弟もね、外にでなあかんわ。」
「いや、まあ、たまに出てるんじゃないかなあ……。」
「部屋に居てばっかりで、たまには日の光を浴びせんと。」
「たまに出てるんじゃないかなあ……。」
「仕事もしとらんし。」
「いや、まあ、気が向いたらするんじゃないかな……。」
 と、弟の部屋に聞こえるような声でこんな事を喋りまくってきます。私は心の中で「うわーうわーうわー、弟大丈夫かな、あ、いや、ごめんなさい、私も学校休んでゴメンナサイ」とか思いながら、弟のフォローしています。
 同調して弟が駄目だと言ったら、あなたも学校に行かないとね、と言われそうな気がしてなりませんから。

作品名:社会に不適合な二人の 作家名:春川柳絮