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遅くない、スタートライン 第3部 第1話 9/16更新

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(1)

新しい朝の始まりだ。結婚式を終えて俺達は新生活を始めた。5月16日出逢った日に結婚した俺達はその足で、市役所の夜間受付で婚姻届けを出し、俺はなんと自分のブログで【結婚報告】をした。スポーツ新聞に書かれるより自分でコクった方がいいと周りから言われた。まぁ、三ちゃん曰く…俺が5月16日が終わる直前にブログに公開したから、翌朝の朝刊にも間に合わなかったみたいだ。その代わり午前24時半には、ブログが集中アクセスのため接続不可能だったそうだ。俺達はもぉ寝てた!爆睡してた…訳は聞かないでほしい(笑)結婚式疲れもあるけど。

翌朝に千尋さんのラインでテレビつけたら…どっから拾って来たんだ?そんな画像を…俺は結婚式の写真を1枚だけ載せたんだ。美裕の顔は年には念を入れて3重にぼかしを入れた。まぁ…結婚前のデート写真に俺の前マンションから出てくる俺と美裕に(美裕の顔にはモザイク処理がしてあった)リゾートホテルを手をつないで出る俺達とか。同期ダチの耕太が言ってた通りだ!芋づる式で写真が出てくるとか…ま、もう結婚式も終わって新婚生活が始まったからな。好きにしてくれ!

おぉ…1階のキッチンからイイ匂いがしてきた。コーヒーとパンのトーストの匂いだ。今日の朝ごはんは洋食か!俺は鼻をクンクンしながら、ベッドから出た。美裕は仕込みの時間があるので日常は早く起きる。俺もなるべく日付が変わる前に寝て、一緒に朝ごはん食べるんだ。

「マサ君!起きてるぅ…朝ごはんできたよぉ」の美裕の声が聞こえた。
「あぃ!起きてまっしゅ!」俺はパジャマを脱ぎながら返事をした。

1日の始まりの朝ごはんはなるべく一緒に取ると、俺達は決めた。昼間は各自仕事で、俺は家での仕事もあるけど外で仕事もある。美裕は昼ごはんはカフェでまかないご飯を食べている。朝出たら…ランチタイムが終わるまで帰ってこないな。ランチが終わってから家に帰ってくることもある。ティータイムがあるからそんなに長い時間いないが、洗濯物取り込んだり、晩御飯の仕込みとかするみたいだ。俺が家にいない時は!

カフェも常連客も定着して、美裕はその常連客の為に心を砕いて接客している。ご近所の高齢者の方や奥さん達の客層を大事にしていた。千尋さんの指導もあるのだろう。また個室もあれから改善し環境を一段と良くした。個室の客は次に来る日を予約して帰る人もいた。俺の作家ダチもすっかり常連客だ。名前言ってなかったね!作家ダチの湊君だ!俺と1期下の養成スクールダチだ。俺達の頃は1期も2期もさほど隔たりがなかった。学校長も養成スクールを開校したばかりで次々と生徒を勧誘してたな!

今日の1日の予定を朝食の時に話す俺達だ。俺は来週新曲のリリースで、ドラマは今週の週末が初回放送になっていた。新曲と同時発売にベストアルバムとDVDの発売にスケジュールはギッシリ!って言いたいところだが、音楽会社の社長と音楽プロデューサーに掛け合って、新曲のリリースが決まった時に、俺はあくまでも作家業優先とするのを条件に歌手に復帰すると2人に約束を取りつけた。口約束じゃない!ちゃんと誓約書を交わしたんだ。絶好調時代に口約束だけして、エライ目にあったんだ。もうあんなヘマはしないさ。

「美裕ぉ…今日はカフェの仕込み終わったらどーすんの?」
美裕はホワイトボードを見ながら言った。
「仕込みは2時間で終わるから、エッセイ1本入っているからそれ書いちゃう!マサ君は?」
俺もホワイトボードを見ながら…
「俺は午前中はスタジオで音合わせして、午後の1時から出版社で打ち合わせだ。1時間ぐらいで終わるさ。エッセイはもう下書きできてるんだろう?今日書くってことは」
美裕は俺のバターの塗ったトーストを渡した。
「うん。後は構成チェックしながらかな?あぁ…昨日はビックリしたよ!イキナリ現れたけど、ホント一般人の方と変わらないのね」
美裕が話し出した。

昨日…ティータイムの時になんと、福永兄貴と奥さんが美裕のカフェに来たんだ。よぉ…来たわ!ここ片田舎で奥まったところにあるのに。奥さんの春花さんがその日の仕事が半ドンで、終わるのを待って福永兄貴と来たそうだ。またカフェに綺麗な観葉植物をプレゼントしてもらった。俺はタマタマ…カフェに来ていて、雄介義兄さんと屋外のパントリーで棚を作っていた。美裕が赤い顔をして俺を呼びに来たもん。

「ま、マサ君!ふ、福永さんが奥さんと来てる」とどもりながら俺にしゃべった。俺は持ってた板を落としそうになった。雄介義兄さんが受け取ってくれたからよかったものの…
「ま、マジで?うっそぉ…福永兄貴ぃ?は、春花さんが」俺もどもっちゃたよ!
雄介義兄さんが俺らの顔を見て、慌てて2階の事務室にいる千尋さんを呼びに行ったもん。千尋さんも美裕も…福永兄貴の大ファンだ。俺のファンでもあるけど、千尋さんは福永兄貴のデビュー以来のファンらしい。ファンクラブの入ってるそうだ。福永兄貴に言ったらすごい喜んでくれて、福永兄貴の生サインに写真も撮ってもらった。また…恐ろしい事に、美裕と千尋さんと春花さんはウマが合ったのか、ラインのIDの交換もし、今度は福永家にご招待された。もちろん俺もだけど!あ、カフェのオープンのお祝いにもきてくれたが…もう一つ福永兄貴は俺達夫婦に話があって、カフェに来たそうだ。