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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「空蝉の恋」 第十九話

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徳永とのデートで突然キスをされて身体が痺れてしまった私は、車の中で二人だけの時間を過ごしていた。
離婚した理由を聞いて、女の嫉妬は怖いとも感じた。

「佳恵さん、ボクは妻を愛していました。もう離婚して五年になりますが、その間誰ともお付き合いすることなく過ごしてきました。心の中で申し訳ないことをしたという部分と、未練だったのでしょうね。ところが体験入校に来た佳恵さんを見てハッとしたんです。なぜだか分かりますか?」

「いえ、わかりません」

「ですよね。まさか・・・妻が来た?って一瞬感じたんです」

「どういうことですか?」

「似ていたんです、別れた妻に」

私はこんなに歳上なのに誘ってくれた一番の理由が読めた。
別れた奥さまへの思いがそのままに私への思いに変わっていったのだということだった。
複雑な気持ちを感じると共に、徳永に対する自分の感情がより強くなっていた。そこには、替わりという女ではなく、彼の気持ちを癒してあげたいと思っていた気持ちがより強くなったという方があっている。

「徳永さん、私が帰りたくないと言ったことは、確かに自分が分からなくなって言ってしまった言葉だったと思います。ホテルに連れて行かれても抵抗することは無かったと思います。そんな私だったのにこうしてお話してくださった優しさに心打たれました。
もう私はいつでも心の準備は出来ています。奥様の代わりではなく、内田佳恵として、私の事大切にしてくださいますか?」

「もちろんだよ。あなたに面影を求めたことは否定しないけど、ここにいるのは佳恵さんだ。頭の先からつま先まで全部大切にするよ」

面白いことを言うと感じた。ちょっと笑みを見せると、助手席に乗り出すようにして、キスをしてきた。もう眼を閉じてそれに応じている私はそっと舌を伸ばした。
夫とのキスではしなかった大胆なことをしている自分が不思議だ。彼にきっと求めているように感じられただろう。

徳永の右手がまくれ上がったスカートから伸びてくる。
身体が一瞬こわばった。
反射的に窓側に身体をねじって、その手を撥ね退けようと試みた。
狭い車の中ではキス以上のことはイヤだと感じたからだ。

「ここじゃ・・・イヤ」

「ゴメン・・・ついつい、怒らないでね」

「怒ってなんかいないよ。徳永さんの思いに任せたいけど、車の中は嫌なの」

これほど大胆なことが言えるようになっていた。

「今日はこれから帰ってもいい時間になるから、佳恵さんの気持ちが聞けただけで終わりにするよ」

「ええ?構わないの?」