「空蝉の恋」 第十六話
恵美子は息子のインフルが移らなくて良かったと笑顔で話した。
いつものようにテニススクールを終えて、帰ろうとしたとき、私のスマホが鳴った。
コーチの徳永からのラインだった。
「どうしたの、娘さんに呼ばれた?」
恵美子の前で読むことがはばかられた。
「ううん、夫からよ。あとから返事する」
嘘をついた。また・・・だ。
恵美子の前で嘘をつかなければならない自分に呆れる。
ファミレスでいつものようにランチを済ませて、帰りの車に乗ってすぐにラインを開いた。
「ゴメンなさい、恵美子さんとランチだったので」
直ぐに返事が来た。
そして、徳永は電話に切り替えた。
「そう、今日の夜は時間が空いていますか?」
「ええ?夜ですか?」
「はい、この後夕方までレッスンがあるので、夕飯にお誘いしようと思いました」
「私は主婦なので、夜の時間に出掛けることは無理です」
「では、恵美子さんも誘って三人ではどうですか?」
「三人で、ですか?・・・そうですね」
「ボクは二人がいいのですが、内田さんとお話がしたいので、会えるなら三人でも構わないかと思いました」
「私からコーチに誘われてどう?と恵美子さんには言えません。解ります?」
「わかるよ。じゃあ、来週ランチしましょう。恵美子さんには用事があると伝えて、どこかで待ち合わせしましょう」
「お気持ちは嬉しいのですが・・・なんだか気持ちが進みません」
「ボクのことが嫌いになりましたか?」
「いいえ、そんなことじゃないんです。つまり、いけないことをしているという気持ちがどうしてもあるんです」
「いけないことなんかしていませんよ。食事するだけです。あなたと二人で居ると気持ちが和むんです。コーチは楽しそうに見えるでしょうが、精神的なストレスも結構あるんです。内田さんと会っているとそれが解消されます」
十歳も年下のイケメンコーチが私なんかにどうして言い寄るのだろうか不思議な気持ちがしている。
いくらでもレッスンを受けている女性たちの中に若くて美人がいるのにだ。
正直コーチは男性としては申し分ないと外見では感じる。優しさでは和仁さんかも知れないが、若くてちょっと強引だけど男としての魅力は徳永さんに感じる。
いつものようにテニススクールを終えて、帰ろうとしたとき、私のスマホが鳴った。
コーチの徳永からのラインだった。
「どうしたの、娘さんに呼ばれた?」
恵美子の前で読むことがはばかられた。
「ううん、夫からよ。あとから返事する」
嘘をついた。また・・・だ。
恵美子の前で嘘をつかなければならない自分に呆れる。
ファミレスでいつものようにランチを済ませて、帰りの車に乗ってすぐにラインを開いた。
「ゴメンなさい、恵美子さんとランチだったので」
直ぐに返事が来た。
そして、徳永は電話に切り替えた。
「そう、今日の夜は時間が空いていますか?」
「ええ?夜ですか?」
「はい、この後夕方までレッスンがあるので、夕飯にお誘いしようと思いました」
「私は主婦なので、夜の時間に出掛けることは無理です」
「では、恵美子さんも誘って三人ではどうですか?」
「三人で、ですか?・・・そうですね」
「ボクは二人がいいのですが、内田さんとお話がしたいので、会えるなら三人でも構わないかと思いました」
「私からコーチに誘われてどう?と恵美子さんには言えません。解ります?」
「わかるよ。じゃあ、来週ランチしましょう。恵美子さんには用事があると伝えて、どこかで待ち合わせしましょう」
「お気持ちは嬉しいのですが・・・なんだか気持ちが進みません」
「ボクのことが嫌いになりましたか?」
「いいえ、そんなことじゃないんです。つまり、いけないことをしているという気持ちがどうしてもあるんです」
「いけないことなんかしていませんよ。食事するだけです。あなたと二人で居ると気持ちが和むんです。コーチは楽しそうに見えるでしょうが、精神的なストレスも結構あるんです。内田さんと会っているとそれが解消されます」
十歳も年下のイケメンコーチが私なんかにどうして言い寄るのだろうか不思議な気持ちがしている。
いくらでもレッスンを受けている女性たちの中に若くて美人がいるのにだ。
正直コーチは男性としては申し分ないと外見では感じる。優しさでは和仁さんかも知れないが、若くてちょっと強引だけど男としての魅力は徳永さんに感じる。
作品名:「空蝉の恋」 第十六話 作家名:てっしゅう