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てっしゅう
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「空蝉の恋」 第十五話

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東京駅から佳恵と和仁はグリーン車の席に座って名古屋へと向かっていた。

「普通の席でよろしかったのに」

私は財布を出して指定席代を払おうとしてそう話した。

「いいんだよ。おれがそうしたかったから。お金なんて出さないで欲しい。一人身だし、使うことないから奢らせてくれ」

「いけませんわ、そんなこと。たとえお付き合いしていたとしてもお金のことはきちんとそれぞれで払うというのが望ましいですわ」

「それは他人だからですか?」

「そうね、それもあるけど、女だからと言って甘えてはいけないとも考えていますの」

「立派ですね。ご主人がますます羨ましい」

「夫のことはもう言わないで。ではおいくらだったのか教えて戴けません?」

「いえ、今回は、今回だけは奢らせてください。強引にお誘いしたのはおれだし、都合を合わせて貰えたお礼という意味でもそうしたい」

「和仁さん・・・私お付き合いは出来ないと思いますけど、それでも構わないと言われるのですか?」

「思うなら、それでいいです。急ぐものでもないし。恵美子と一緒に楽しく温泉に行ったり、ごはん食べたりしましょう」

「ええ、そうですね。それなら嬉しいですわ」

私には和仁の言葉が、気遣いがとてもうれしく感じられた。この人は本当に優しい人なんだと思い始めた。
電車が名古屋駅に着いて、遅いランチを一緒に食べて、自宅へと戻った。

「ママ、お帰りなさい」

洋子が玄関先に出てきた。

「ただいま。ちょっと疲れたわ。ねえ~この前に行った温泉へ一緒に行かない?」

「ええ?今から」

「そう、嫌なら一人で行ってくるけど」

「大丈夫よ。ちょっと待ってて」

洋子と二人で温泉に浸かって、睡眠不足からなのか疲れを癒したいと思った。

「ねえ、ママ。昨日はパパと一緒だったのよね?」

「どうしてそんなことを聞くの?」

「別にどうしてということは無いけど、聞いてみただけ」

「一人でホテルに泊まったのよ。パパはお仕事の人と遅くまでお付き合いするからって、私にそうしろと」

「そんなあ~せっかくママが東京へ行ったのに。パパは全然ママの気持ちが解らなくなったのかしら」

「そんなことあなたが気にすることじゃないわよ。それよりね、聞いておきたいことがあるの。これまで聞かなかったけど、あなたお付き合いしている人はいないの?」

「彼って言うこと?・・・う~ん、友達ならいるけど、彼って言える関係じゃないの」

「そう、親しくしている男友達はいるのね。同級生とか、幼なじみかしら?」