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遅くない、スタートライン 第2部 第3話 8/13更新

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(3)

ホテルでクリスマスまで過ごした俺達は、自分の家に帰った。当初は3泊の予定だったが俺の仕事の都合や美裕の臨時パティシエの仕事で、1週間もホテルに滞在してしまった。それも師走の26日だったから、手続き関係もまだ間に合った。俺はマンションの売却と新居の住居準備も同時進行でやってた。また俺が不動産会社に行ったタイミングも良かったみたいで、買主がついた。美裕も自宅のカフェオープンの完成設計図が出来上がり、俺も同席して少し早めて1月下旬から工事に入ることになった。またダチのインテリアデザイナーは美裕が提案した個室カフェに、すごく興味を持って美裕が考えてた構成に色々とアドバイスをしてくれ、そのインテリアも勉学の為に引き受けてくれた。

数日後…美裕と駅前を歩いてたら、美裕のお兄さんに逢った。美裕のお兄さんは警察官だけど、アンタ…俺紹介してもらってビックリしたよ。現役の白バイ隊員だった。それも俺達が住んでいるところに県警本部があるんだが、そこの交通課の白バイ隊員隊長だった。美裕より4歳上で名前は健太郎さんと言った。だから、ケンちゃんか。あ、お姉さんは美裕より14歳上(聞いてビックリした!)で千尋さんと言った。何でも亡くなったご両親は千尋さんが産まれて、10年間なかなか子宝に恵まれず、諦めていたところ10年目に健太郎さんが生まれ、その4年後に美裕が生まれた。

またご両親は美裕が生まれた時、お父さんは44歳で、お母さんは(随分年下だったんだな)36歳だったそうだ、正月明けに千尋さんちにご挨拶に行った。千尋さん・千尋さんの旦那さん(ビックリ…お義兄さんは婿養子だった。樹の名前を残すためにね!)と娘ちゃんの有彩ちゃんこと、有ちゃんと仲良くなり、千尋さんは俺を弟・妹同様に躾けると笑いながら言った。(美裕からどんだけ千尋さんが怖いか聞いてるし、あの白バイ隊員隊長の健太郎さんが千尋さんをすごく怖がってるだぜ)俺も抵抗できなかった。

千尋さん…お年は50代後半だが、若く見えて(40歳代かと思ったぐらい)美裕をちょっとクールにした美人姉だった。有ちゃんもかわええ!美裕と健太郎さの事は、小さい時から「みぃちゃん・ケンちゃん」と呼んで、大人になった今でもそう呼んでる。有ちゃんが美裕を「ちゃん」をつけて呼んだ時は驚いたけど。

さてさて、美裕との距離もグンッと縮まり、俺の方から先に学校長達に報告してたから、テレビ局のディレクターとスタッフにはフィアンセとして紹介したんだ。美裕にも了解を得ていて、元パティシエで俺のアシスタントでフィアンセとバリアを張ったんだ。テレビ局のディレクターってヤツは、オンナ見ると口説くやつ多いからな!美裕は俺の仕事上…どうしてもテレビ局のディレクターとスタッフとか関りがでてくるからな。未然に予防線張ってやった!

年始年末も美裕と過ごし、年越しそばも雑煮もお節料理も一緒に食べた。初詣も近くの神社に行った!俺達はお互いの仕事の成功と新生活の家内安全と健康を祈った。ホント…冬休み入ってから色んな事が決まった。美裕も俺を紹介する時に、千尋さん達に結婚すると言ったもんな。結婚は仕事が軌道に乗ってからとは言ってた。あ、反対はされなかった。美裕も俺もバツイチだけど、以前の美裕を見てきた千尋さんと千尋さんの旦那さん・雄介義兄さん・健太郎さんは喜んだ。俺に「美裕をよろしくお願いします」と正月に挨拶に行った時に頭を下げられ、俺もこの時に両親の事、両親が亡くなってから学校長が親代わりと言うこともちゃんとお話しした。千尋さんは…俺にこう言った。

「一緒だね…ね!縁があってこうやって巡り逢えたんだし。困った事があったり応援が欲しい時は遠慮せずに言ってね。MASATO先生」
と…俺はこの言葉に感動した。前の結婚は…俺は親がいないから見下されてた。いや俺がそう感じてたから!