「空蝉の恋」 第十二話
温泉から帰って来た三人は待ち合わせたショッピングモールの駐車場に着いた。
和仁は先に帰って、恵美子と私は少し話をしようとカフェに入った。
「ねえ、佳恵さん。出過ぎたことしてしまったようでごめんなさい。許してくれる?」
「いいのよそんなこと。気持ちは嬉しく感じたわよ。考えたら和仁さんって素敵な男性よね。私が独身で、せめて同じ年齢だったら好きになれたかも知れないって思う」
「ほんと?なら考えてよ。もしかして私とのことを聞いていて遠慮しているの?」
「あなたとのことで遠慮しているって・・・何?」
「和仁さんとは幼友達というだけではないの。でも私が結婚してからは会ったりはしてなかった。二年ほど前に偶然お付き合い始めた彼と、知り合いだと解ってちょっと動揺したけど、話しているうちに彼女がいないって言うからあなたのことを話したら、タイプだって言うものだから紹介したいと考えたの」
「そうだったの・・・」
私は和仁さんから聞いていたことだったけど改めて恵美子の気持ちを聞こうと思った。
「和仁さんは素敵な男性だったのに、あなたが好きになれなかった気持ちが私には解らないの。友達過ぎると恋愛には発展しないということなの?」
「うん、そうとも言い切れないけど、知りすぎているからこれで結婚して暮らしたら、なんか嫌なところばかり目立ってくるんじゃないかと思ったわ。知らない人の方がトキメキとか、新しい発見があって新鮮な結婚生活が送れると考えたのね。佳恵さんはご主人とは恋愛なの?」
「そんな風に思ったのね。私には男友達っていなかったからよく解らないわ。主人とは恋愛だけど、私も30直前だったからあまり良く考えずに決めたって言う感じかしら」
「先に結婚ありきだったのね?昔はそうだったのかもしれないと思うと、女にとって結婚とは何だったのかって考えさせられるわね。今の若い人が結婚したくないっていう気持ちが解る」
「そうね。でも洋子がいてくれるから幸せよ。娘はどんな時も私の味方だし」
「仲が良いのね。あなたに彼が出来たと知ったら、娘さんどう思うかしら?」
「ええ?そんなこと話したりするわけないじゃないの」
「うん?って言うことはまんざらでもないって思っているの?」
「たとえ話よ、もう、いつも揚げ足とるんだから」
和仁は先に帰って、恵美子と私は少し話をしようとカフェに入った。
「ねえ、佳恵さん。出過ぎたことしてしまったようでごめんなさい。許してくれる?」
「いいのよそんなこと。気持ちは嬉しく感じたわよ。考えたら和仁さんって素敵な男性よね。私が独身で、せめて同じ年齢だったら好きになれたかも知れないって思う」
「ほんと?なら考えてよ。もしかして私とのことを聞いていて遠慮しているの?」
「あなたとのことで遠慮しているって・・・何?」
「和仁さんとは幼友達というだけではないの。でも私が結婚してからは会ったりはしてなかった。二年ほど前に偶然お付き合い始めた彼と、知り合いだと解ってちょっと動揺したけど、話しているうちに彼女がいないって言うからあなたのことを話したら、タイプだって言うものだから紹介したいと考えたの」
「そうだったの・・・」
私は和仁さんから聞いていたことだったけど改めて恵美子の気持ちを聞こうと思った。
「和仁さんは素敵な男性だったのに、あなたが好きになれなかった気持ちが私には解らないの。友達過ぎると恋愛には発展しないということなの?」
「うん、そうとも言い切れないけど、知りすぎているからこれで結婚して暮らしたら、なんか嫌なところばかり目立ってくるんじゃないかと思ったわ。知らない人の方がトキメキとか、新しい発見があって新鮮な結婚生活が送れると考えたのね。佳恵さんはご主人とは恋愛なの?」
「そんな風に思ったのね。私には男友達っていなかったからよく解らないわ。主人とは恋愛だけど、私も30直前だったからあまり良く考えずに決めたって言う感じかしら」
「先に結婚ありきだったのね?昔はそうだったのかもしれないと思うと、女にとって結婚とは何だったのかって考えさせられるわね。今の若い人が結婚したくないっていう気持ちが解る」
「そうね。でも洋子がいてくれるから幸せよ。娘はどんな時も私の味方だし」
「仲が良いのね。あなたに彼が出来たと知ったら、娘さんどう思うかしら?」
「ええ?そんなこと話したりするわけないじゃないの」
「うん?って言うことはまんざらでもないって思っているの?」
「たとえ話よ、もう、いつも揚げ足とるんだから」
作品名:「空蝉の恋」 第十二話 作家名:てっしゅう