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新・覇王伝__蒼剣の舞い【序章】

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          ※※※※※※※※※※
 ____カン!
 交わった剣が、火花を散らす。
 「野育ちが、四獣聖・蒼龍とは四獣聖も堕ちたもんですな」
 「ほざけっ!」
 「清雅さま、これは罠です。業と貴方を刺激して冷静さを欠こうという…」
 「あの黒狼らしいやり方だぜ」
 カッとしながらも、鮮やかに敵の攻撃を交わすところはさすがというしかない。実戦経験は星宿よりも長い男は、命の危険も何度も経験済みだ。
 王なのだから王らしく___、この七年間何度云われても清雅は自ら先頭きって敵に向かう。玉座におとなしく座っているような王ではない。
 そんな彼の暴走を側で抑えていたのが、白虎の星宿である。
 「白虎、何故蒼王に就く?」
 「四国の為だよ」
 「覇王家に背くと…」
 「黒王さまは覇王になったおつもりか?」
 「毒されたな。覇王家に仕えていた筆頭名家の星宿どのともあろう者が」
 「闇己どのには、理解らないだろうな」
 そう、邪心に捕らわれた者には理解らないだろう。何故、清雅に魅せられるのか。
 星宿は、賭けてみようと思った。それは他の四獣聖も同じ。
 「セイちゃん、見〜っけ♪」
 距離を置いて手を振る青年に、数人倒した清雅が嫌な顔をした。
 「星宿、あいつを呼んだのか?」
 「いえ、放浪中の筈ですが」
 星宿は気付いている。清雅の視線が敢えて朱雀の焔といる男を視界に入れないようにしていたのを。玄武の狼靖___七年前、清雅を蒼王に担いだ張本人。
 一人の男と、蒼剣の元に、集まっていく人々。
 そこに隠された大きな意思の存在に、この時は未だ清雅たちは知る由はなかった。