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てっしゅう
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「空蝉の恋」 第九話

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「そう言えば和仁さんは離婚されていたのですね?」

「ええ、そうなんですよ。だから今そういうことを言ったんです」

「嫌なことを聞いてごめんなさい」

「構いませんよ。内田さんがご主人のことを大切にされているかどうかは知るところではありませんが、大切にされていないと思われるなら、まだお若いから離婚して束縛から逃れるという判断も良いと思います。こんなこと言うつもりではなかったのですが、恵美子からご主人と一緒の部屋ではないと聞かされたので言ってしまいました」

「そうでしたの。恵美子さんから聞かれたのね・・・」

「あなたのような綺麗な人を大切にされないご主人は罪作りだと感じます。女性はどんな年齢でも輝いていなければ楽しい人生だとは言えません。恵美子も旦那が構わないから、恋人を作りました。聞いていますよね?」

「ええ~そんな話、聞いていません・・・うそでしょ?信じられない」

「だったら、今度会ったら確かめてみてください。ボクから聞いたと言ってくれて構いませんので。恵美子は小中と仲良くしていた幼なじみです。一度は付き合ってもいたのですが、お互いに結婚までには至りませんでした。それは、仲良すぎたからです。男と女は不思議です。性に対する魅力と言うのが仲良すぎると感じられないんですね。傍から見ても恵美子はスタイルもいいし美人の類です。内田さんほどではありませんが、女らしいところもあります」

私はただ和仁が話すことを聞くだけになっていた。
一つ心に響いた言葉があった。それは、輝いていなければ楽しくないという言葉だ。
輝くとは女として充実しているという意味なのだろう。今の私に欠けているものがあるとすれば、それは恋愛かもしれないと気付かされた。

気付かされたとしてもいまさらどうすることも出来ないとも思える。
離婚なんてしても生活して行けないし、まして洋子の面倒も見ることはできない。自分はこのまま夫のいない時間を趣味の時間で楽しんで人生を送るしかないのだと言い聞かせた。

和仁はひとしきり話すと、この次は三人で今日いけなかった温泉に行きましょうと笑顔で言った。
私は少し打ち解けていたので笑顔で、「ハイ」と返事した。
家に帰ると娘は驚いたように、

「どうしたの、ママ?何かあったの?」

と聞いてきた。仔細を話すと、ホッとして、じゃあ私と近場の温泉施設にでも行こうと誘ってくれた。
それも良いと思い、食事を済ませてから出掛けた。

夕方になって恵美子から電話が掛かってきた。