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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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大規模ライブの話

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― トロント某所で

フィル 「7月31日ってさ、何の日か知ってる?」

ヒューゴ 「日本のGバンドが『20万人ライブ』ってのを開催した日だろ?」

フィル 「そう、それだよ」

スティーブン 「20万人!?そんな人数が集まったんですか!?」

ヒューゴ 「そうだ。観客動員数が1日、それも1公演で20万人っつうんだから半端じゃない」

ジミー 「それに、単独アーティストの有料ライブによる動員数じゃ今も世界一なんだって」

ヒューゴ 「最寄駅の駅員数を通常の15倍の人数の150人にしたり、スタッフは7,500人、警備員は3,000人、ツアーバスは500台動いたそうだ」

スティーブン 「何て言うか、桁違いですよね」

フィル 「さらには、開演時間になってもまだ4万人が入りきれてなくて、急きょ金網を切ってゲートをフリーにして、やっと全員入れたそうだよ」

ジミー 「何だか、アメリカの『あの伝説的ロックフェス』の状況に似てるような、似てないような…」

ヒューゴ 「20万人ライブはそれはそれは大盛況で、際立った混乱も暴動もなく、平和で楽しい雰囲気のうちに終了したそうだ」

スティーブン 「いやあ、いいなあ…。僕らもそんなライブをやってみたい」


フィル 「いや、僕たちも『イェーツ・マーロウ&オドネル』時代に、似たようなライブをやったことあるんだよ」

スティーブン 「えっ、そうなんですか!?」

ジミー 「そうなんだよ。カナダ最大級の某コンベンション施設の駐車場の特設ステージで…ね」

(フィルとヒューゴが、うれしそうに二度ほどうなずく)

ヒューゴ 「観客動員数は…」

フィル&ヒューゴ 「18万人!!」

スティーブン 「じゅ、18万人も!?」

ジミー 「そう。もっとも、自分たちが20代後半のときの話だけどね」

スティーブン 「すごいですね、それ…」

フィル 「あれも楽しくて平和なイベントだったよなぁ」

ジミー 「本当、すごかったよねぇ、あの時代」

フィル 「スティーブン、君のお母上もそのライブを見に行ったんだよ。自力でチケット取ってね」

スティーブン 「へえ〜。…あ、そういえば、うちの母からそのライブの話、聞いたことあるかも」

フィル 「また今度聞いてみてごらん。彼女は熱く語ってくれるだろう」

ジミー 「ちなみに、そのライブを行った日にちも『7月31日』なんだよ。すごい偶然でしょ?」

スティーブン 「それもすごいですね」

ヒューゴ 「過去の栄光トーク、楽しんだ?」

ジミー 「…うん」(「おまえだってしてただろーが!」とツッコみたい)

(フィルとスティーブン、苦笑いします)
作品名:大規模ライブの話 作家名:藍城 舞美