「空蝉の恋」 第六話
私のテニス体験が始まる。体験レッスンを受けて入校を決め、今日が12月初日のレッスン日になっていた。
恵美子に勧められてラケットとウェアーを買いに行った時、お揃いをと選ばれたのが白のミニスコートとポロシャツだった。
汗をかくから半袖を買ったけど、着替えてみると腕と太ももから下が露になって、まるで女子学生のような姿に恥ずかしさを覚えた。
「あ~ら、佳恵さん、とっても素敵よ!どこから見てもお嬢さんね」
「恥ずかしいこと言わないでよ。若くないんだから」
「ううん、テニスの世界に年齢なんて関係ないの。誰に見られるわけじゃないから、これでいいのよ。日焼けも心配ないしね。コーチもきっと驚くと思う」
「若い先生だからそれも恥ずかしいのよ」
「コーチだからね、仕事でやるんだから多少のお世辞は言うかも知れないけど、遠目だと絶対に今の年齢だなんて解らないと思うわ」
「変な褒め方ね・・・恵美子さんは背も高いし、スタイルもいいから見栄えがいいけど、私は低いし足も短いからカッコいいとは思われないよ」
「違うのよ。男の人は小柄で色白な人が好きなの。佳恵さんはピッタリなのよ。コーチに気に入られるといいわね」
「どういう意味で言っているの?コーチは皆さんに平等なんでしょ」
「それはそうだけど、男性だからね。それにね、聞いたところによると独身なんだって、バツイチらしいけど」
「まあ、よくそんなこと調べているのね、びっくり。私には関係のないことだから、気にならないけど」
「そう?ちょっと安心した」
「何が安心なの?」
「気にしない。さあ行きましょう」
コーチは私の姿を見てお若いですね~と褒めてくれた。まあ、これも女性に対するマナーみたいなものだろう。レッスンを終えて、汗を流して、シャワールームから出ると、先に出た恵美子はロビーで誰かに電話をしていた。
ソファーに腰かけて待っていると、気付いたのかそのまま近づいてきて、
「ねえ?佳恵さん。この後のランチにお友達を誘ってもいいかしら?」
「ええ、もちろんよ」
「男の人なんだけどそれでもいい?」
「構いませんよ」
電話を切って、雑談をしていると玄関から一人の男性が入って来て傍に来た。
恵美子に勧められてラケットとウェアーを買いに行った時、お揃いをと選ばれたのが白のミニスコートとポロシャツだった。
汗をかくから半袖を買ったけど、着替えてみると腕と太ももから下が露になって、まるで女子学生のような姿に恥ずかしさを覚えた。
「あ~ら、佳恵さん、とっても素敵よ!どこから見てもお嬢さんね」
「恥ずかしいこと言わないでよ。若くないんだから」
「ううん、テニスの世界に年齢なんて関係ないの。誰に見られるわけじゃないから、これでいいのよ。日焼けも心配ないしね。コーチもきっと驚くと思う」
「若い先生だからそれも恥ずかしいのよ」
「コーチだからね、仕事でやるんだから多少のお世辞は言うかも知れないけど、遠目だと絶対に今の年齢だなんて解らないと思うわ」
「変な褒め方ね・・・恵美子さんは背も高いし、スタイルもいいから見栄えがいいけど、私は低いし足も短いからカッコいいとは思われないよ」
「違うのよ。男の人は小柄で色白な人が好きなの。佳恵さんはピッタリなのよ。コーチに気に入られるといいわね」
「どういう意味で言っているの?コーチは皆さんに平等なんでしょ」
「それはそうだけど、男性だからね。それにね、聞いたところによると独身なんだって、バツイチらしいけど」
「まあ、よくそんなこと調べているのね、びっくり。私には関係のないことだから、気にならないけど」
「そう?ちょっと安心した」
「何が安心なの?」
「気にしない。さあ行きましょう」
コーチは私の姿を見てお若いですね~と褒めてくれた。まあ、これも女性に対するマナーみたいなものだろう。レッスンを終えて、汗を流して、シャワールームから出ると、先に出た恵美子はロビーで誰かに電話をしていた。
ソファーに腰かけて待っていると、気付いたのかそのまま近づいてきて、
「ねえ?佳恵さん。この後のランチにお友達を誘ってもいいかしら?」
「ええ、もちろんよ」
「男の人なんだけどそれでもいい?」
「構いませんよ」
電話を切って、雑談をしていると玄関から一人の男性が入って来て傍に来た。
作品名:「空蝉の恋」 第六話 作家名:てっしゅう