HAPPY BLUE SKY クゥ中佐また出向?
クゥ中佐は、私が正式隊員になった時にマンツーマンでテキストを手にして教えてくれた。その傍ら、家の書棚で見つけた専攻分野のテキストを手にし、時間の許す限りまた勉強をしたそうだ。昨年、長期公務に入る前に防衛大の主催する【戦車デジタル設計XXX】に
論文と設計図を応募したそうだ。クゥ中佐はそのまま長期公務に突入して、あまりの多忙に応募した事さえ忘れていたそうだ。クゥ中佐が応募した論文と作品が第4次選考までに
残っていて、防衛大としてはクゥ中佐にコンタクトを取りたかったのだが、長期公務に入っていてコンタクトが取れなかったそうだ。マリッド支部で、クゥ中佐はその教授から【研究室のお誘い】を受けたのだ。また、専攻分野をもっと専門的に勉強してはどうか‥とのお話も頂いたそうだ。クゥ中佐は中佐業務の事もあるので、後日返事をする事にしたそうだ。
クゥは私を自分の胸に抱き込んで言った。
「で‥まずはフィアンセである一美さんに相談してさ。お返事しようかと」
「相談して頂いて嬉しいです。でも‥もう心は決まってるんでしょう?クゥ中佐の長年の夢だもん。時間が許す限り挑戦してみたら?フィアンセの一美さんはお待ちしますよ」
「ありがとうございます。うん‥行きたい!部長や大佐も仕事調整して、アーノルド少佐達に任せて行けと言ってくれた。一美ぃ‥事が動く前にさ」
私は顔が緩むのを、デスクの下で自分の足をツネって耐えていた。今は、営業会議中だから。こんな事ではいけないのだけど‥
昨日、クゥは私にこう言った。
「予定としては、来年1月から2年間‥中佐業務と防衛大・大学院生の兼業になる。その生活が始まったら俺も忙しくなる。一美には仕事が軌道に乗ってから結婚しようって言ったけど、その前に式を挙げないか」
私の返事はもちろん‥【YES】だった。
作品名:HAPPY BLUE SKY クゥ中佐また出向? 作家名:楓 美風