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HAPPY BLUE SKY クゥ中佐また出向?

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長期の海外公務から帰って来たばかりなのに?



2週間振りにファイン支部に帰って来た。一美達が親父さんと話し合いをし、これで落ち着いたものと思っていたら、支部から緊急呼び出しがあり、そのまま海外公務に入った俺だった。公務自体は8日目で無事に終了したのだが、9日目からオマケがついてきた。そのオマケとは‥

帰国の報告に大佐室に行った。大佐にはもう上層部からそのオマケの連絡が入っていた。
「いい機会だよ。中間管理職になると中々こういう機会はないぞ!君が防衛大で先行していた分野じゃないか。もう1班はアーノルド少佐達がいるから!行って来いよ」
「そうですね。私も行きたいと思っていますが、相談もしないといけませんし」
「うん。相談しなさい‥まぁ‥一美さんなら元部下だから、事情も呑み込みやすいだろう。諜報公務じゃないんだ。よぉく相談してお返事下さいよ」
「はい。休暇明けにご返事させて頂きます」
俺は大佐室を出てから、部室には帰らずにカフェテリアに行った。夕方の便で帰国するはずだったが、2本前の飛行機に搭乗できた。おかげで昼前に支部に帰って来ることができた。ランチプレートを手に取り、窓際の席に座った時だった。後ろから聞き覚えのある声で名前を呼ばれた。

「お帰りなさい!クゥ中佐」
一美とそっくりな笑顔で笑うさとだった。また白衣セットを着て、横には医学書を積み重ねていた。飯を食いながらの勉強中だった。
「おぅ!ただいま‥昼飯時も勉強か。インターンも大変だな」
「うん。現場入ったらテキスト見る余裕なんてないからね。あぁ‥一美ちゃんは知ってるの?このお早いご帰国」
「ううん‥知らせてない。あぁ‥おまえ何してるんだ」
さとは自分の携帯を取り出し、メールを打ち始めてた。

一美は営業から帰って来たばかりなのか、アタッシュケースを持ったままカフェテリアに来た。小走りで来たのか、少し息が早い一美だった。さとは俺に手を出した。俺はランチプレートの中のチキンステーキを2切れヤツのプレートの中に入れた。
「じゃ‥オイラは向こうで食べるよ。ごゆっくり」
ランチプレートと医学書を持って、席を立っていたさとだ。チキンステーキ2切れで気を利かせてくれたのかな?アイツ‥

一美は自分のランチプレートを持って、カフェテリアのテラス席に来た。俺も席を移動してテラス席に居た。もう13時を過ぎていたのもあるのか、テラス席には俺達だけった。俺はテーブルの下で、一美の手を軽く握った。
「ただいま‥2本早い便で帰って来ちゃった。一美の顔が見たくて」
「うん。嬉しい‥」一美は赤くなりながらクスクスと笑った。俺も支部内でよくこんな軽い言葉が言えるようになったものだ。自分でも驚いたが‥

ランチを食べてから、一美は俺にお気に入りメモパッドに文字を書いた。その書いたメモを俺のスーツのポケットに入れて席を立った。あの一美が支部内で言えないよな‥俺は一美が行ってから、メモを取り出して見た。一美が書いたのは、今日のディナーのメニューだった。
「ありがとう。帰りにスィーツ買って帰るよ。さて、俺も行くか」
俺はランチプレートを手に取り、席を立った。

私は仕事を終えてから、ダッシュで自宅に戻り用意しておいた食材を保冷バックに入れて、片手にはコタのキャリーを引いて、クゥのマンションに向かった私だ。
「コタぁ‥今日はご馳走だよ。クゥパパの好きなモノばっかりだけど、コタもおこぼれがあるかもよ。楽しみにしてて‥ックック」
キャリーの中のコタは、私の嬉しさが伝わったのか‥またあの仔犬独特の【キャンキャン】の声で返事をしてくれた。

私はテーブルの上の空になったお皿を見ていた。確かにクゥはよく食べるけど、今日はいつもより多めに料理をしたのだが見事に食べきってくれた。今度は満腹で眠気がやってきたのか、クゥはソファで微睡んでいた。またクゥの膝の上にはおこぼれをもらって、満腹のコタが爆睡していた。
「‥‥嬉しいけどね。また向こうでロクに食事もとれないぐらい、忙しかったのかな?この中佐殿は!さて‥眠っている間に食器洗っちゃおう。それまでは寝てていいよ」
私はそばにあった、ハーフケットをクゥとコタにかけてキッチンに戻った。

クロスでカウンターを拭いている時にリビングで物音がした。どうやら、微睡んでいたクゥが目を覚ましたようだ。またコタも起きたようで、大人1人と仔犬はボール遊びを始めたようだ。コタは遊んでもらえるのが嬉しくて、口に銜えたボールを離そうとしない。クゥの怒る声が聴こえた。
「こらぁ!ボール持って来いの練習してるのに、離さなきゃボールを投げれないだろう?コタ!持って来い!」
コタはますますハイテンションになって、リビングの中を駆け回った。

またクゥは私が笑っているのがわかったみたいで、振り向かずに言った。
「誰かとソックリだ。こっちが下手に出たら調子コクの!な‥そこで笑ってる営業部員の立野さん」
「はいはい!すみません‥デザート食べる?カスタードプリン作ったの!甘さ控え目だよ。クラウス・デ・ウィル・ボンバード中佐殿」
私は冷蔵庫の中のプリンを取り出した。

ベッドサイドテーブルに手を伸ばし、一美の口にスポーツドリンクをつけて飲ませた。また俺もそのスポーツドリンクを何口か飲み干した。お互いに小さな息を吐いた。スポーツドリンクをテーブルに戻して俺は、また一美の背中を力を入れて抱きしめた。一美も俺の背中に腕を回し、力を入れて俺の背中を抱いた。
「いいな‥こんな時間も」
「うん。帰国してから何だかバタバタしてたし」
「あぁ‥引っ越しに君の部署異動に、話し合いが終わってホッとしたのも束の間」
「そうよね。話し合いが終わって、すぐにクゥは海外公務に入ったし」
「うん。公務は比較的順調に終わったけどさ、あぁ‥一美ぃ!俺な‥」
クゥは‥海外公務のオマケの部分を私に話してくれた。

「エッ‥マリッド支部でお父上に逢ったの?」
「うん。驚いた‥後ろから名前を呼ばれた時はさ!振り向いたら親父だった。最後に逢ったのが3年前かな?最後の航海が終わった時に、執事のジィさん達と港までお出迎えしたんだ。それから親父はジッタ−支部勤務になった。何でマリッド支部にいるのかわからなかったけどさ。3年振りに逢ったからな‥親父にランチに誘われたんだ」

クゥとお父上のボンバード海軍准将は、支部のカフェテリアでランチを取ったそうだ。またその時に同席していたNATOC防衛大教授から話があったそうだ。お父上とその防衛大教授は同期でマリッド支部で開催された会議に出席していたそうだ。また、その防衛大教授と言うのが‥

「ビックリしたよ!その人は俺が防衛大で専攻してた分野の助教授だったんだ。俺は顔を合わせた覚えがなくてね。でも教授は俺の事をよく知ってたよ。あぁ‥俺の専攻分野知ってる?」
私は、諜報1班に在席してた時に第1TOP様から聞いた覚えがあった。
「確か‥戦車の中の通信機器エリア」
「うん。戦車用のデジタル機器の設計さ‥その教授が今開発してるのがまさにそれなんだ。俺さ君が部に来てから、テキスト持って君に教えたろう?家で昔のテキスト引っ張りだしてたら、専攻分野で使ってたテキストを見つけたんだ」