HAPPY BLUE SKY 退出まで2週間 3
さっきまでの上機嫌だった、カッジュとさとの顔が曇った。
「‥‥大丈夫だ。俺と中村先生がついている。ちゃんと話し合うんだ。君達が親父さんを恨んでいるのはわかってるよ。でもな‥そんな親父さんがこの遠いN国まで来て、君達に逢いたがっているんだ。さとの事も、今‥中村先生が話をしている。さともカッジュ同様じゃないか。な‥立野ツインズ!このままじゃ何も解決しないぞ‥勇気を出して前に進めよ。俺と中村先生がついている‥親父さんには君達を殴らせない。俺が体を張って、君達を守る。クラウス・デ・ウィル・ボンバードはここに誓う」
私達はマンションに帰ってから話し合った。クゥは私達をマンションまで送り届けて、そのままウィークリーマンションに帰った。
「‥‥ホント!男らしい人だね。クゥ兄貴は」
さとはマグカップを両手で包み込むように持って言った。
コタロウは遊び疲れたのか、もうケージの中で爆睡していた。私はコタロウの顔を覗き込みながら、さとに背を向けたまま話をした。
「うん。出逢った時からそうだったよ‥最初は怖かったけどね。クゥ中佐はね‥支部内でも人気だよ。男らしくて筋を通す男って。憧れているスタッフも多いよ!私もその1人だけどね。さと‥君は父さんに何が言いたい?あの人に改心なんてあり得るんだろうか?」
「俺は言いたい事は山ほどあるよ。でも、俺もかっちゃんと同じでさ。あの人の前に立つと足がすくむんだ。情けない事に‥改心か。ナイんじゃない‥あったら今の状況と違ってるよ」
さとの言ってる事はよくわかる。私もそう思っているから‥でもクゥは【話し合うべき】だと言った。また、鼻っから諦めて何もしないのは良くないと言った。クゥの言ってる事は正しいと思う。私達も勇気を出すべきだ‥わかってくれなくてもいい。自分達の胸の内を吐き出してしまいたい。私もさとも、これから新しい環境に飛び込もうとしている。心にわだかまりがあると、気持ちも晴れ晴れしない。
「さとぉ‥話しよう。勇気出して」
「うん。かっちゃん」
私達は父親と話をする事に決めた。もう‥そう遠くない日にこの日はやってくるだろう。
明日‥私は部室を退室する。それが終わってからだ‥話をするのは!
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作品名:HAPPY BLUE SKY 退出まで2週間 3 作家名:楓 美風