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HAPPY BLUE SKY カッジュの旅立ち編 1

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その頃、ファイン支部ではTOPの口からカッジュの異動が伝えられた。ツィンダーとヨルはショックを隠しきれなかった。横に居たサム・ブリックが二人の肩を抱いて、慰めたそうだ。
「カッジュが部からいなくなるのは、みんな寂しいんだ。でもよ!」
「ファイン支部の中にいるんだ。フロアーは違うけどさ、アイツの事だ。所属部署が変わっても、【こんちわぁ】って笑って、また部室に来るさ。で…おまえらのオヤツを横取りして帰るさ」

その声に他の部員達は笑い、潤んだ眼をしたツィンダーとヨルも笑ったそうだ。
「ですよね。アイツ‥食い地張ってっから」
「うん。絶対来る!アイツの鼻は犬並みの嗅覚だからね。優しい俺は、来たらあげますよ。ワン公・カッジュに!で【お手】させてやるから」

アーノルド主任がツィンダーとヨルの肩を抱いた。
「そうだ!アイツはオヤツの為ならワン公にもなるさ。何だかんだと口実作って、部室に来るよ。ボスぅ‥じゃなかった。クゥ!お腹すいた!ノド渇いたって」
「そうそう!アイツはそんなヤツだ。クゥさんも甘いからね!退室したら、今度はカッジュをカラかってやろうな。みんな」
その声に部員達は同意の意味で、親指を立てたそうだ。俺はこれを後日、中佐から聞いてテーブルの下で、手をワナらせたのは言うまでもない。

俺とカッジュは今‥飛行機の中だ。D島を昨日の昼に出発して母国・N国に向かっている。ビジネスシートをリザーブして、シートを目一杯倒して俺とカッジュは眠っていた。N国まで飛行時間は9時間もあったから。カッジュがまた寝返りを打った。窓側のシートで眠らせて正解だ。シートから落ちる事なくカッジュは眠っていた。でも‥機内の空調がよく効いているのか、時々寒くて体を丸めていたカッジュだ。今も‥また寝返りを打って体を丸めた。俺は腕を伸ばして、カッジュを自分の胸に抱き込んだ。カッジュはうっすら目を開けた。
「温かい‥クゥの胸の中」
「だろ‥いいよ。もうこのままずっと俺の胸の中で眠れよ。大事な彼女様に風邪なんて引かせられませんよ」
「うん。ずっと‥ずっと‥そばに居てね。クゥ」
「うん。嫌がってもそばに居るよ。蹴られてもな‥」
俺達は軽く唇を合わせた。

【カッジュの旅立ち編】1 完結です。次は旅立ち編 2 ですが、
カッジュの身辺にまた変化が起こります。