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HAPPY BLUE SKY カッジュの旅立ち編 1

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HAPPY BLUE SKY 3 【カッジュの旅立ち編】1



俺の療養生活が始まった。C国陸軍病院を退院した足で療養地に向かった。医師の勧めで専門施設で療養する事になった。療養施設に通って1週間が経った。療養施設にも宿泊設備があるのだが、1人ならその施設を利用も考えたが、カッジュが居るので近くのコテージを借りた。カッジュが運転する車でリハビリセンターまで送ってもらい、また帰りも迎えに来た車でコテージに帰る俺だった。リハビリセンターのスタッフが窓の外を指差した。

カッジュは俺の荷物のナップザックを背負った。
「はい‥しっかり私の肩を掴んでね」
俺はカッジュの肩を掴んで、一歩ずつゆっくり歩いた。今日から杖なしで歩くことを許可された。もう少しで自力で歩けるまで回復していた。

コテージについて、リハビリで汗をかいた俺はすぐに風呂に入った。着替えを持って来たカッジュがドア越しに声をかけた。
「ここに着替え置きますね。バスタブから上がる時気をつけて下さいよ」
「うん!わかったぁ」
ったく‥心配性だよ。アイツは‥ま、有難いと思わなきゃな。ファイン支部に帰国せずにそのまま俺の療養地までついて来てくれて、リハビリ以外の面倒を見てくれているカッジュだ。リハビリが終わったら、何か礼をしないとな。

私はベッドで眠っている少佐の顔を覗き込んだ。よく眠っている。

リハビリは疲れるのだろう。ほぼ毎日、朝から夕方までリハビリセンターに居て、リハビリに励んでいる少佐だ。それが功を成したのか、リハビリの先生の予想より1週間早い杖なし歩行になった。今日のディナーの時はご機嫌で、いつもよりよくしゃべった少佐だった。来週にはリハビリ施設を卒業できるから、またお得意の【タイムスケジュール】を組んで、残りの休暇を満喫する気なんだ。さっきまで、ガイドブックを見て何やらネットで検索していたな。別荘は行かないのか?最初の話だと、N国の別荘暮らしをする予定だったが。それに少佐は、私に病室で言った事もまだ話をしてくれない。リハビリが終わってから話してくれるのだろうか?

また不思議な事に、その日以来から理事長からの電話がかかって来なくなった。あれだけ、電話をかけてきた理事長なのに。また私の今後の事で、ファイン支部の大佐・理事長・訓練校長の御三方で話がN国で話し合っているなんて、私はこの時は思いもしなかった。

それから数日後に少佐のリハビリ生活が終わった。リハビリが終わる頃に、私はまた少佐をセンターまで迎えに行き、その足で空港に行った。車はレンタカーを借りていたので、空港近くのレンタカーセンターに返却した。搭乗手続きをして、チェアーで待っている少佐の傍に行った。
「ありがとう‥何から何まで手配してくれて」
「イエイエ‥言われた時はビックリしましたけどね。でも‥本当に大丈夫なんですか?リハビリの先生は日常生活にも支障がないって言ってましたけど」
「大丈夫だ‥ムチャさえしなきゃな!ま‥リハビリ中の俺の面倒を見てくれた礼とその他の礼も含んでるから。楽しんでください‥俺も楽しむから」
「じゃ‥お言葉に甘えよう。現地で思いっきり堪能させてもらいますよん」
「ラジャーです!彼女様」
カッジュは俺の言葉に嬉しそうにうなづいた。