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HAPPY BLUE SKY 後編5-4

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俺は鉄パイプを避けた時に足を負傷してしまった。カッジュが助けてくれなかったら、足の負傷どころか、今この世に存在していない。足の負傷なんてかわいいもんだ‥でも!足を負傷した事によって、ここ数年ロクに休みも取っていない俺を、上層部のオッサン達がよってたかって【療養に専念しろ】と無理矢理病院に入れやがった。鉄パイプを避けた時に、俺は左足靭帯を痛めてしまった。ま‥このケガなら入院はしなきゃいけないけどな!よって俺はC国の陸軍病院に入院する事になった。それも2週間だ‥

足の他はどこも悪い所がない。他は元気だ‥入院して数日は長期公務の疲れもあり、死んだように眠っていたらしいが、4,5日もすると体力も気力も回復した。もう退屈しだした俺だった。俺はサイドテーブルの時計に目を向けた。ここの面会時間は14時から21時までだ。もうすぐ‥来るだろうな。俺の着替えのパジャマやタオルを持って!

「いい子にしてますか?脱獄はしてませんか?」
俺の顔を見るなり、カッジュは言った。
「この足でどうやって、脱獄するんだよ。それにガキ扱いすんなよ」
カッジュはニッコリ笑って、俺の足の上に手を置いた。
「かわいくないな‥そのお返事!彼女のカッジュは悲しいです。叩いていいですか?入院が確実に1週間伸びちゃいますけど」
「も‥申し訳ありません!君に叩かれたら‥頼む!止めて」
俺は自分の手で足をガードした。病室の外では、数人の笑い声が聴こえた。アイツらだ!TOP4人だ。アイツらは今からN国に帰国するんだ。帰国する前に俺とカッジュをカラかいに来たんだな!ちっくしょぉ‥足が動けばアイツらのケツを蹴ってやるのに。

俺とカッジュの事はもうバレてしまった。それもパーフェクトに!TOP様会談の前に、俺はアーノルド主任にパーフェクトに見破られ、TOP3人も同席してゲロさせられた。カッジュは俺が懇願して、追及をしない事を約束してくれた。

カッジュが病室を出た時に4人は俺を取り囲んだ。俺は右手をワナらせながら言った。
「な‥何ですか?第1TOP様!会談の続きですか?」
「イエイエ‥もうアレは終了しました。今後の予定を聞いておこうと思いまして」
「2週間の入院‥少佐が大人しくしてるはずがナイと思うんで」
「早々に病院を脱走し、彼女と海外逃避行ですか?」
「行先だけでも、お知らせくれないかなと思い」
4人は一斉に、俺の顔を見てニタッと笑った。

「ま‥まだ何も決めてない!休暇の話をもらったのも、入院してからだ。相談する間もないぜ!おまえらだって!頻繁に病室来てたじゃないか!どうやって相談するんだ!」
アーノルド主任が軽く顎に手を当てながら言った。
「まぁまぁ‥そう怒らずに!足に障りますよ!クゥ少佐」
他の3人もうなづきながら、俺の顔を見て笑った。

「俺のこの足じゃ‥どこも行けないよ。退院しても療養生活だ。もらった休暇は10日間!だぜ」ビリー副主任が指を折った。
「あれぇ‥少佐にまだ連絡行ってないのかな?俺は中佐から聞いたんだけどさ。アーちゃん!どーなってるの?」
アーノルド主任はまた俺を見て笑った。アーちゃん・スマイルをしやがった!アイツがそのスマイルをするとロクな事がないのに。

私はマンションの荷物を片付けていた。あの少佐が2週間も病院で大人しくしてるはずはないと思っていたが、こんな急に切り出されるとは思わなかった。マンションに帰る途中で、アーノルド主任が私に言った。
「長期公務4ヶ月半なんだ。公務に入る前に俺は君に10日間の休暇があるって言ったよな?覚えてるかい」
「エエ‥公務が終わったら休暇がもらえるって。予定通り10日間でしょう?少佐の休暇は退院してから開始でしたね。私は3日後に昇格試験を受けるんでそれからですよね?」
「その予定だったんだけどな、昨日さ大佐から連絡があったんだ」
大佐から連絡?何の連絡なんだろう?私は首を傾げた。

アーノルド主任から聞かされた事は、少佐の退院と共に私も休暇に入る事になった。それも当初の10日間ではなく3週間の特別休暇になった。K国の大物エージェント2名の逮捕・元陸軍大佐の不正を暴いたクラウス・デ・ウィル・ボンバード少佐に特別休暇が出された。それは納得できるわ‥それだけの功績だから。でも何で私もなんだろう?私は10日間の休暇を終えたら、選手として復帰するつもりだった。公務が終わった時点で、理事長からいつ戻ってくるのか、問い合わせの電話がかかってきたのだ。この時点では10日後と理事長に言ったが、理事長にうちの部の大佐から直接電話があり、休暇の延長を申し入れがあったそうだ。マンションに帰ってから、すぐに私の携帯電話に着信があった。それは少佐だった‥
「カジュぅ‥話があるんだ。もう一度病室に来てくれないか?」
私はそれからすぐに戸締りをしてマンションを出た。病室で少佐がソファに座っていた。1人で移動したのかしら?まだ足の痛みが完全に引いたわけじゃないのに‥

「1人でソファまで歩いたんですか?」
「うん。もう痛みも大分引いた‥カッジュ!昇格試験が終わったら、すぐにこの国を出国しないか?そのまま俺は療養生活に入るよ。N国のXXX市にも親父名義の別荘がある。そこで療養生活するんだ。アーノルド主任から聞いてるよな?カッジュ‥もし予定がなければ一緒に行かないか?3週間の特別休暇を君と過ごしたいんだ。また‥その時に話したい事があるんだ」

特別休暇の3週間‥少佐と一緒に居られるのは嬉しいけど。話したい事って何だろう?また大佐・理事長からも少佐に話があったと言う。3人とも何の話なの?

HAPPY BLUE SKY 2 【後編】5−3 完結です。
少佐とカッジュが、公務を終え少佐も病院を退院します。
二人はこれから、特別休暇をどう過ごすのでしょうか?
作品名:HAPPY BLUE SKY 後編5-4 作家名:楓 美風