HAPPY BLUE SKY 後編5-2
カーテンの隙間から差し込む朝の光で目が覚めた私だ。目をこすりながら、横を向いた。私の顔に何かが当たった。目を開いてみると‥
「あのまま寝ちゃったんでしょうが。誰かさんが痛がって泣いてさ、泣き止むまで背中をなでてやったろう?覚えてないのぉ?カジュ」
少佐のその言葉に私はまた赤くなった。私の顔に当たったのは少佐の裸の胸だったのだ。覚えてないはず‥ないじゃない。‥‥私にとってはすごく痛かったのだから。
「驚きました‥ップップ。24歳でバージンだとはね!今時の若者は10代で経験済みもいるのにな。また誰かさん、この3年で決まったステディがいるのかとずっと‥思っていたからな」
少佐はベッドの中で、笑いながら私の背中を抱きしめた。
「わ‥悪かったですね。に‥24歳でバージンで!」
「悪いなんて言ってないよ。俺‥嬉しいんだ。今度はそのエリアは、プライベートで【教育】してやるよ。あぁ‥楽しみが増えたな」
「し‥少佐ッ!調子コイてますか?また」
「うん。相当コイてるな‥10歳年上の彼氏は8年振りに女抱きましたから。それもバージンだ。これから責任取らせてくれ。彼女のカジュさん‥ううん。こう呼んでいい?」
少佐は私の耳元でまた‥こうささやいた。
「kazumi」と‥【カッジュ】と呼ばれるのも好きだが、少佐のあのよく響く低い声で、【kazumi】と呼ばれた私は、何だかとても嬉しかった。私も少佐の事を【クゥ】と呼んだ。お互いのネームをプライベート呼びして、35歳と24歳の私達は少し顔を赤くした。
「この時間ならもうブランチだな。でも正午までには時間がある」
「ホントだ‥もう11時ですよ。ブランチになっちゃう」
少佐の腕がまた私を抱きしめた。
「正午まで後1時間‥また抱いていい?昨日ほどは痛くないと思うから」
「‥‥ホント?もう痛いのはイヤです‥ッグ」
私の唇は少佐の唇で塞がれた。そして耳元でまたささやいた。
「痛さを軽減するのも俺の役目ですので、今から精進奮闘します。いい?それに言葉もプライベートに切り替えな。彼女さん」
「‥うん。クゥ」
私は赤くなりながらも、少佐の首に腕を回した。
作品名:HAPPY BLUE SKY 後編5-2 作家名:楓 美風