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HAPPY BLUE SKY 後編4

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新しい任務



私は少佐の住むマンションを出て、支部の宿舎に戻った。与えられた個室に入って、備え付けのベッドに腰を下ろした。そして指は自分の唇を触った。1時間少し前‥私の唇に少佐の唇が重なった。夢の中のような出来事だった。玄関を出る時にも、少佐は私を抱きしめて言った。

「ありがとう。カッジュ!俺は君が来るまでは、結構メリこんでいたんだ。俺は結構現金なヤツだったんだな。この数ヶ月は仕事は気力でコナしていたが、その他の事は無気力状態だった。カッジュに逢えて、パワー補給してもらった感じがする。後半年も滞在してられっか。見てろよ‥俺は明日から復活するぜ」
「はい‥期待していますよ。TOP様も心配してましたよ‥少佐が元気がないって。カッジュにできる事は全部します。コキ使って下さい!少佐」
「うん。頼りにしてるぜ!カッジュ」
私達はまた‥玄関の中で唇を重ねた。そして、ドアが閉まる時に少佐は私に手を振ってくれた。また私も笑顔で手を振り返した。

C国に入国して数日が経った。少佐はマンションで待機中だったが、C国に入国したグルード大佐が少佐を呼び出した。また、珍しく部長も同行していた。何なんだろう?部長まで出てくるって事は、少佐が張っているヤマに何か動きがあったのかも知れない。私は3人分のコーヒーをドリップして別室に持って行った。コーヒーを配り終えて、部屋を出て行こうとした時に、グルート大佐に呼び止められた。
「私もですか?」
大佐と部長はうなづいた。少佐は私に横に来て座るように目線を送った。

話の内容は、少佐が例の某国VIPエージェントが経営しているカンパニーにシステムエンジニアとして潜入する事になった。上層部からの命令で、カンパニーの内部を調べるように命令が下った。話を聞いていると、私は関係ないのではと思ったが。大佐が私に言った。
「君にもお仕事があるよ。カッジュ君」
大佐は私の顔を見てウィンクした。
エ‥大佐がウィンク? (@_@;)
な‥何だろう?話を聞くのが怖かった私だ。

「カッジュ君!独身者と既婚者はどちらが信用が高いと思う?偏見な言い方だけど」
私は少佐の顔を見た。少佐は軽くうなづいた。軽くうなづくって事は【答えろ】だ。
「既婚者だと思います。パートナーがいる方は落ち着いて見えるからでしょうか?」
私の答えに、大佐と部長がうなづいた。
「だろう!そこのシステムエンジニアは、A国のXXXカンパニーから‥(中略)でね。家族と共にC国に入国する事になっているんだ。家族が居なきゃおかしいだろう?それで、君にパートナー役を演じてもらいたいんだ」

大佐と部長が部屋から出て行き、少佐と二人になった。
「‥‥あのタヌキ親父共!」
少佐は手をワナらせていた。大佐が部屋を出る時に、少佐の顔を見て笑ったのだ。また部長も!私は2人が何で笑っているのか、わからなかった。少佐は思い当たるフシがあるみたいで、何か言いかけたが。2人は笑いながら部屋を出て行った。
「少佐ぁ!何を怒ってらっしゃるんですか?お二人は何も言ってないのに」
少佐は私の顔を見てため息をついた。

「部に何年いる?」
「3年ですけど‥」
「第1TOPのニックネームは?特技は何だ?」
私は少佐に言われて、第1TOP様4人を思い浮かべた。思い浮かべた途端、私は自分の顔が赤くなるのがわかった。また‥あの少佐も顔が赤かった。

「‥‥見抜かれていたみたいだ。俺も君も」
「う‥ウソぉ」驚く私に‥
「ウソなもんか!現に大佐と部長が俺の顔を見て笑っただろう!TOPとあの二人は結託したんだ!任務にカコつけて」
「し‥信じられない。任務でしょう?少佐」
「俺も信じられん!でも‥ックック」
少佐は口に手を当てて小声で笑った。

「何で笑うんですか?少佐」
「いや‥これは任務とは言え、俺にとっちゃラッキーだなって。カッジュはそう思わないのか?この任務がなきゃ、カッジュは宿舎暮らしで門限ありの生活で。俺が呼びつけない限り顔を見る事もないからな。一緒に暮らせば24時間顔が見れるからな」
少佐の言葉に、私はますます赤くなったのは言うまでもない。
作品名:HAPPY BLUE SKY 後編4 作家名:楓 美風