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HAPPY BLUE SKY 後編2

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ツィンダーの手術は無事に終わった。術後はビリー副主任が付き添っている。俺はツィンダーの事故処理もあり、駐在している支部に帰った。デスクのノートパソコンを開き、メールチェックをしていたら、見覚えのあるIDが俺の目に映った。メールをスクロールダウンしながら、俺は無意識に笑みがこぼれていた。この数ヶ月は笑う事がなかった俺が、メールを見て笑ったのだ。それはカッジュからのメールだった‥
「ったく!あのガキんちょは‥すぐに食い物か?そんなに俺は飢えてると思ってるのか?あぁ‥でもアレは食いたいな。それと雑誌に‥うん。夏物のアンダーウェアが欲しい」
俺は画面を見ながら、無意識に欲しい物を口に出していた。カッジュのお言葉に甘えよう。こちらでは物が不足しているのは事実だから。

C国ロザリオ支部に到着した。また、私達が乗って来た軍用機でツィンダー先輩とビリー副主任が帰国することになった。ツィンダー先輩はベッドで寝たまま、軍用機に運ばれた。まだ患部が痛むのだろう‥移動の時に顔をしかめていた。
「ツィンダー先輩!大丈夫ですか?しっかり養生してくださいよ」
「まだ痛いよな。でも耐えろ!空港でミラド先生が待ってるからな!ちゃんと養生しろよ。ツィンダー」
「はぁい‥ごめんな。カッジュ!世界選手権終わったばかりなのにさ。ヨル先輩もすみません。俺の仕事を半分お任せすることになっちゃって」
頭を下げる代わりに手を数回上下したツィンダー先輩だった。

「いいっていいって!気にすんな」
「気にしないで、療養に励んで下さいよ。ミラド先生とケンカしちゃダメよ。先輩」
「うん。じゃぁね!またメール書くよ。先生とのケンカレポート」
その声に私達は声を上げて笑った。また後ろでは、ビリー副主任も笑っていた。

私とヨル先輩は、迎えに来たVANに乗り込んだ。ヨル先輩は先に降りて、某研究所に入所した。防衛大学で専攻していた分野が今回の仕事に組み込まれていた。私は乗せたVANはあるマンションの玄関前で停車した。ドライバーは何も言わず、ルームミラー越しで【降りろ】と目線を私に送った。私はVANから降りて、玄関のインタホーンを自分の身体で隠すように、事前に知らされていたルームナンバーをプッシュした。誰が見ているかわからないから‥
作品名:HAPPY BLUE SKY 後編2 作家名:楓 美風