HAPPY BLUE SKY 中編
ボスが苦悩していた様に、私も寮の部屋で苦悩していた。壁には先日クリーニングから返ってきたベージュのワンピースがかかっていた。ボスが食事に誘ってくれた時は、毎回ではないが、プレゼントしてくれたワンピースを着て行った私だ。ワンピの他に、ボスからは色々とプレゼントしてもらった私だ。お気に入りのキャラグッズやスニーカー数足もプレゼントしてもらった。ボスも私も【街歩き】が好きだから、スニーカーの減りが早い。捕り物の時に、異国のエージェントを蹴り上げた時にスニーカーの紐が切れた。お気に入りのスニーカーだったので、ちょっとショックだった私だ。紐の切れたスニーカーを見てメリこんでいた私の傍に来てボスは言った。
「そんな気に入ってたのか?そのスニーカー!あぁ‥おまえもこれ履いてるのか?俺もこのメーカーのスニーカーが好きでさ。‥買いに行こう。買ってやるよ‥俺もそろそろ買い替えるつもりだったんだ」
私の手を引っ張り、支部の近くのシューズショップに連れて行ってくれたボスだった。私は最初遠慮をしたんだけど。ボスが【いいから】と言って何足かのスニーカーを持ってきた。ボスも自分のも持って来て履き心地を試した。また‥この時に同じスニーカーを選んだ私達だった。だから‥そのスニーカーも大事に履いている私だった。ボスがプレゼントしてくれた物もそうだけど、ボスには物の他に一杯‥プレゼントしてくれた。私はそれらの物をこの3年間ずっと大事にしている。ボスの気持ちもだ‥
「私ぃ‥顔赤かったよね。ミラド先生が私の顔見て笑ったもん。先生にはバレちゃったみたいだな。ボスは‥何でカタまったんだろう?そんなに似合ってなかったんだろうか?今日のメイクとヘアスタイルと‥お買い上げしちゃった服」
私はため息をついた。インタビューで着た服が私は気に入り、取り扱っているショップをスタイリストさんに尋ねたら、定価の半値で譲ってくれると言った。半値なら私にも買う事ができたので、購入したのだ。ライトブルーのニットワンピースだった。そのワンピースを見ながら‥つぶやいた。
「10歳年下の私なんて‥女としては見てくれないだろうね。訓練校時代から【男の子】をしてきた私だから。ボスにはそんな風にしか映ってないよね?私の事」
またため息が深くなる私だった。
作品名:HAPPY BLUE SKY 中編 作家名:楓 美風