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HAPPY BLUE SKY

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少佐の意外な言葉 3



私は訓練校の寮に帰ってからも考え込んでいた。その考え込んでいた事は少佐に言い当てられた事だった。小会議室で少佐に言われた事が私の頭の中で渦巻いていたのだ。少佐はあれから私にこうも言った。

「おまえさ‥名誉顧問である親父さんの【お人形】だったって俺に言ったけど。おまえの周りの反応どうだったんだ?友達や同じ部員の反応はどうだったんだ?おまえはその中で【お山の大将】気取ってなかったか?そんなおまえを見て部員は何か言ったのか?また俺が思うには、ワザと親父さんはおまえをそんな環境に置いたような気がする。その中でおまえが変わる事を期待してたんじゃないのか?俺から見ても‥おまえはどこか甘い所があるし、自分では気がつかないが人を見下してる目をしている。また誰にも心を開いてないな。親父さんにしてもそうじゃないのか?」

私は少佐に言われた言葉が胸の中に突き刺さった。また認めたくない事実を少佐から言われた。少佐とはまだ1ヶ月しか接触していないのに。この人は何で私の事がわかるのだろう?寮に帰ってからそればかりを考えていた私だった。
「心開いてないって‥あんな人に心開いても冷たい反応しか返って来ないんだよ。期待するだけ損じゃない!期待したら傷つくもん‥でも」

私は眠れなかった。また明け方まで考えては否定し、自問自答したけど答えは見つからなかった。考えすぎて疲れてしまい、気がつけばデスクの上に突っ伏して寝ていた。その日は公休(訓練生もある)だったので支部には行かなくてよかった。また訓練校のカリキュラムもほぼ終わっていたので、私はその日1日ベッドの中で眠り続けた。

眠り続けている私をルームメイトは心配したようだ。私の顔を何回か軽く叩いて反応を見たようだ。夕方まで私の瞼はピクリともしなかったそうだ。起きてからルームメイトに言われた。
「心配したのよ!目を覚まさないから‥この次にアクションして起きなかったら、軍医を呼びに行こうかと思ったわ。よかった起きて」
私に笑顔を向けてくれたルームメイトだ。いつもの私なら‥
「心配しないで」の一言だが。少佐に言われた事もあって一呼吸おいて彼女に言った。
「ごめんなさい。心配かけて‥ちょっと寝れなくて爆睡しちゃった」
そして、口元スマイルだけど彼女に笑った。彼女は私の言葉と口元スマイルに少し驚いていた。私はその日から少しずつ変わっていった。

カッジュ訓練生が実習に来て2ヶ月が経った。実習は3ヶ月‥残り後1ヶ月を残すところとなった。俺とアーノルド指導教育係と訓練校のボング教官は支部の面談室にいた。ボング教官はカッジュ訓練生と他の訓練生の様子を見に来たのだ。俺はアーノルド指導教育係にうなづいた。アーノルド指導教育係はリモコンを手に取った。

ボング教官は口につけたコーヒーをむせた。ボング教官は咳き込みながら俺に言った。
「このビデオ‥合成じゃねぇだろうな?少佐」
「ハァ?何で合成せんといかんのですか?たかが訓練生の実習に。な‥指導教育係」
「そうですよ!ボング教官‥そこに映ってるのはまぎれもなく‥カッジュ訓練生です」
ボング教官は‥食い入るようにテレビ画面を見つめたそうだ。

部室のドアが開くなり声が聞こえた。
「カッジュ訓練生ただ今戻りました!あぁおなか空いた」
また‥部員の最下っ端のツィンダー・ヨルも同じように声をあげた。
「あぁ‥猛烈ハラ減りまくり!何かないッすか?ハラの足しになるもの」
この3匹は室内で騒いだ。ハラが減った‥ハラが減ったと!
中間の部下・ゲイルが3人に言った。こいつ‥俺の嫌いな「オネエ」っぽいしゃべり方をするが特殊能力を持つので部に所属している。

「うるさいわよ!子豚3匹達‥頂き物のバームクーヘンが冷蔵庫にあるわ。アンタ達の分が!1人2切れにカットして食べなさい。わかった?ケンカすんじゃないわよ!」
3人は軽く敬礼して隣のミニ・キッチンに入ったが。

数分後‥ツィンダーの痛がる声とヨルの怒る声がミニ・キッチンから聞こえたと同時に、カッジュ訓練生は両手にバームクーヘンを持って、そばにいたディック主査の背中に隠れやがった。ディック主査は背中に隠れているカッジュ訓練生に言った。
「また‥ツィンダーをイジめたのか?平等に分けろってゲイルが言っただろう?できんのか?おまえは」
「しよーと思ったんですけど。ツィンダー先輩がいけないんです。先に【これ俺の】って大きくバームクーヘンをカットしたんです。これ平等じゃないでしょう?だから‥」
カッジュ訓練生は口に手を当てて笑いやがった。ツィンダーに何をしたかディック主査は想像がついたらしくて、軽いため息をついた。

作品名:HAPPY BLUE SKY 作家名:楓 美風