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HAPPY BLUE SKY

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少佐の意外な言葉 1



私は22年間の人生の中で今‥一番の恐怖感を味わっていた。
会議室に入室した時に少佐・2TOP(アーノルド指導教育係・ビリー指導副教育係)の視線が一斉に私に突き刺さったのだ。また私の顔を見ても何も言葉も発しない3人だった。それが余計に恐怖感を増したのだ。私は握った拳が一層震えた。【実習中止】で即訓練校に送り返されると思った。

「し‥しっかりしろよ!カッジュ訓練生」
「大丈夫か?おぉーい」
二人の指導教育係の声が聞こえた。私は極度の緊張と極度の恐怖感で意識が遠のき、また床に座り込んでしまったようだ。倒れなかっただけまだマシだが‥
少佐が私の横に来てかがみこんだ。そして私の頭をあの大きな手で軽く叩いた。
「おまえ‥俺に実習中止を言い渡されて訓練校に送り返されると思ったのか?」
私は少佐の言葉にただ‥うなづくばかりだった。
「これから俺が聞くことは正直に答えるか?正直に答えるならこの事は訓練校に報告しない。あ‥でもタヌキ親父のフォンさんは知ってそうだな。あのオッサンは地獄耳だからな。どこからともなく、おまえの書きたくなかった事を知ってるかも知れんぞ」

私は少佐の言葉に顔をあげた。少佐は私の顔を見て軽くうなづきながら‥
「あのオッサンは知って黙認している時もある。あのオッサン‥結構ずる賢いぜ。それを切り札にしやがるんだ。俺も弱み握られたことがあってな‥っと今の言葉忘れろ」
少佐はそれ以上私に聞かせたくなかったみたいで、その話を切った。
「床に座り込んでないで、椅子に腰かけろ。特別に座っていいぞ」
少佐のその言葉に両指導教育係が驚いた顔をした。

少佐はデスクに肘をついた。
「まず‥ポリス時代に多少なりとも日本の武道・逮捕術・護身術は警察学校で習うよな。このNATOCの訓練校だってそうだ。おまえそのカリキュラムを受けたんだろう?俺達に見せたパワーを大セーブして受けたのか?」

少佐の言ってる事は当たりだ。
私はその系統の授業の時は半分のパワーセーブをしていた。
「はい‥みんなと同じレベルにパワーセーブしました」
「ふぅうん‥みんなと同じレベルにね。ま‥おまえならデキるだろう。そういう事ができるってことはな。その道のプロだ‥カッジュ!おまえさガキの頃からやってんじゃねぇのか?俺達に見せてくれたモノは‥ポリス時代だけでは身についたモノとは思えん」
この人ってどこまで鋭いんだろう?私は両手で顔を覆った。

「正解みたいですよ。少佐」
「カッジュ訓練生‥少佐の言うことが当たりすぎて口も利けないみたいですよ」
「だろうな。ほら言え‥怒らんから」
私は軽く息を吐いてから、顔をあげて少佐の顔を見て話し始めた。

「私は少佐のおっしゃる通り4歳から訓練を受けました」
話し始めてから少佐と2TOPの顔つきが段々曇ってきた。
だから言うの嫌だったんだ‥私は!
「おまえのひぃジィさんは日本で道場を開いた。一族の直系男子が後を継いで、一族は4歳からその武道を叩きこまれるのか。その4歳で始めるというのはひぃジィさんが決めた事か?カッジュ」
「はい‥だから私も4歳になった時に武道を始めました。4歳の時から合気道を習い、小学校に入ったら剣道と空手を習いました。おかげで友達と遊ぶ事もできなかった」

アーノルド指導教育係とビル副指導教育係がため息をついた。
「遊びたい年頃なのにさ‥遊ぶより練習か」
「友達もカッジュと遊びたかっただろうな」私はその言葉にうなづいた。
「またその道場の繋がりが広くて。4歳から鍛えられてますからね‥私の言いたい事分って頂けますか?少佐」少佐は軽くうなづき‥言った。
「その武道のTOPレベルの位置にいたんだな。じゃ‥俺が思っている事を言ってもいいか。俺も職業柄【検索】と【推理】は得意でね!」少佐は私に話し始めた。
作品名:HAPPY BLUE SKY 作家名:楓 美風