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ゴースト・ワイフ

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エピローグ



私は智の顔を指で触った。智の目からは涙が伝い落ち‥また私の目からも涙が伝い落ちた。私はもうペンを持つことができなかった‥手が透けてテーブルが見えていたから。残り時間が少なくると共に私の身体が段々と透けて行くのだった。その時だった‥

大天使様の声が私の頭の中に入ってきた。
「もう扉が開いておるぞ。天使が階段を今降りて行った。天使が階段を降り切る前に‥おまえに声を与えよう‥さぁ!家族に別れを告げよ」
私は段々と透けていく体に力を入れて、言葉を発した。


奈央が逝ってから半年が過ぎた。
半年経った今でも‥僕は奈央の最後の言葉が忘れられない。奈央が青い布を使って、子供達の顔や手を触り、子供達の問いかけにペンで文字を書いて答えた。残り時間が少なくなると共にその字も判別できなくなった。僕と子供達の頭の中に奈央の声が響いた。奈央の最後の言葉はこうだった‥

「ママはずっと‥あなた達の事見守ってるから頑張って」

その言葉のとおり‥僕と子供達は協力し合いながら頑張った。奈央が託してくれたメモパッドを片手に持ちながら料理を覚えたし。家事もできるようになった。子供達の世話も僕が全部するのではなく、サポートしながら子供達でデキるように頑張らせた。おかげでこの半年で、子供達は随分と「お兄ちゃん・お姉ちゃん」になった。今じゃ‥僕が怒られる事がある。

奈央‥天国で見ているか?
僕も子供達も随分と成長したぞ。
でもまだまだ成長しないとな。天国で見守っていてくれ‥
君に「花丸マーク」をもらえるように頑張るよ。         完



作品名:ゴースト・ワイフ 作家名:楓 美風