目覚めると…
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私がこんな事を想ったのは‥ワケがある。社会に出てから早10年になる。
2度転職をした。もっと自分に似合った仕事があるのではと思い‥そして私は自分に似合う仕事を見つけた。それが今の仕事だった。その仕事に就いてからもう7年になる。
私は大島美咲 32歳独身 今で言うアラサーOL女子だ。仕事はクリニック受付で役職はチーフである。
クリニック受付って聞えはいいけど裏はドロドロだ。医療界は上下関係が厳しくて、長年いる者が強い傾向にあると言われている。全くその通りだ。私も25歳でこの世界に入った時は長年いたお局様にイビられたわ。そのイビられた経験があるから、自分はそんなコトをしない!後輩をそんな目に合わせたくないと思っていた。また受付チーフになってから上司のオーダーが多い。それも今の現状ではどう考えてもムリだろうと言うオーダーを突き付けて来るのだ。上と下から挟まれた私は段々とストレスが溜まっていくのがわかった。受付チーフに就いてからお局様の気持ちが段々わかってきた。
また、私には3年越しの彼がいる。クリニックに出入りしていた製薬会社プロパーだった。現在は担当クリニックが代わり私の勤めているクリニックで顔を合わすことはない。その彼は直樹 30歳で私より2歳年下だ。末っ子の私は「お姉さん」気取りで2歳下の直樹を「弟扱い」するのが好きだった。直樹も「甘え上手」でまたノリもよかった。私達は意気投合して交際を始めた。私が29歳で直樹が27歳の年だった。また、その直樹とも最近ケンカが多い。
原因は‥直樹も一生懸命努力しているのは私もよくわかっている。ここ1年、直樹の周りで何事にもデキる人物が現れた。その人物は直樹より2歳年下で中途入社だったが‥メキメキ頭角を現して今では直樹を抜いて営業成績TOP3にランキングしている。直樹だってその人物が現れるまでTOP3にいた。直樹は現在4位からTOP3位に返り咲けないままだった。
直樹は報われない努力に嫌気がさしたのか‥私にことごとく当たるようになったのだ。