ネットラブ…して変わった私
1章
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夫が出て行くのが午前7時30分‥私は半分寝ぼけたまま布団の中から「行ってらっしゃい」と手を振る。夫も後ろを向いたまま手だけあげて。「おぅ」の一つ返事が返ってくる。結婚して5年が経つが子供はいない。二人ともまだ「子供は要らない」と思っているから。
夫が出勤して2時間後に私は、布団の中から這い出す。深夜3時まで起きているので夫が起きる午前6時にはどーしても起きれないのだ。当たり前か(笑)深夜3時まで起きているのだから。
這い出して目指す所は、マイパソコンの置いてあるミニテーブルだ‥電源ONにし、起動されるまでトイレに行く。トイレに行ってマイパソコンの前に座ったら‥デスクトップ画面にお気に入りのゲームキャラが出て来ておしゃべりする。
「みなぴーおはようです。たっくーから受信メールがありますよ」としゃべってくれるのだ。私は一度に目が覚めて、マウスをクリックする。
「たっくー」とは‥ゲームサイトで知り合った。話していく内にフィーリングが合い意気投合してしまった。それからサイト内のミニチャットルームで話しをするようになり、メールも交換するようになった。またそのメールが面白いのだ。
私はたっくーのメールを読んでから、また自分の空想世界に閉じこもってしまう。私の悪いクセだった。空想を始めるとアッと言う間に2,3時間経っている事がある。今日も空想世界にイッてしまい、終わって時計を見たらもうお昼の12時を過ぎていた。普通の主婦なら‥
「まぁ‥大変!もうこんな時間だわ」
と言ってチャカチャカ動き出すモノだが。私は違った。
「まだ12時過ぎじゃん。もうちょっとあそぼ‥」
手はマウスを握り画面をクリックして、またパソコンの画面を見いってしまうのだ。あぁ‥私ってダメ主婦だな。ホント‥
「でも止められないのよ。私からパソコン取り上げたら死んじゃう(笑)マジで」
と言いながらパソコンを操作する私だから。自分にはとことん甘い私だった。
作品名:ネットラブ…して変わった私 作家名:楓 美風